谷口鮪(KANA-BOON)「朝井リョウさんの小説に影響を受けて、アルバムの歌詞を書きました」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、ファーストフルアルバム『DOPPEL』がオリコン初登場3位にランキング、若手最注目バンド「KANA-BOON」のフロントマン、谷口鮪さん。本誌でオススメしてくれた朝井リョウの直木賞受賞作『何者』は、アルバム収録曲に深い影響を与えたそうで……。
KANA-BOONの全曲の作詞作曲を手掛ける谷口鮪は、自身が受けた影響を隠さない。朝井リョウの『何者』を読んだことが、アルバム収録曲の歌詞に直接的な影響を与えたと言う。
「『何者』を読んで、ツイッターやSNSの怖さをより一層考えるようになったんです。『ウォーリーヒーロー』の、“そのタイムラインに飲み込まれる前に 想像してくれ 想像してくれ”という歌詞は、その影響ですね。結局のところ人が何を思っているのかは分からない、どこまでいっても裏はあるし……という『何者』のテーマは、『白夜』の“本当のことは言えやしない/暗い海の底、深く深く/辿り着く者など誰もいない/表面化したお面のその…