東日本大震災からまもなく13年。「復興」の本当の意味について問う、被災者の痛切な声が響く社会派ミステリー
テレビに映し出される真新しい公営住宅や巨大防潮堤。東日本大震災後、それらを観て「復興は確かに進んでいる」と安堵した人は多いだろう。だが、再開発を進め、インフラを整備すれば「復興」と言えるのだろうか。『彷徨う者たち』(中山七里/NHK出版)は、…
テレビに映し出される真新しい公営住宅や巨大防潮堤。東日本大震災後、それらを観て「復興は確かに進んでいる」と安堵した人は多いだろう。だが、再開発を進め、インフラを整備すれば「復興」と言えるのだろうか。『彷徨う者たち』(中山七里/NHK出版)は、…
なにか事件が起きたとき、被害者宅に押し寄せるマスコミには非難の声が集まるけれど、加害者宅に対するそれはあまり聞かないな、ということに、小説『棘の家』(中山七里/KADOKAWA)を読んで思い至った。寝耳に水の大惨事であることは加害者家族も変わりがな…
【PR】 2022年1月20日(木)に発売された中山七里氏の小説『鑑定人 氏家京太郎』。ベテラン作家が描く圧巻の“鑑定サスペンス”に、多くの読書家から好評の声が続出しているようだ。 中山氏といえば、『総理にされた男』『さよならドビュッシー』など数々の名…
科捜研(科学捜査研究所)と言えば、事件・事故現場に残されたモノを科学的に鑑定する公的研究機関。ドラマなどを通して、その仕事ぶりを知る人も多いだろう。こうした科学鑑定が、民間でも行われているのをご存じだろうか。遺言書の筆跡、DNAによる親子判定…
【PR】 豪華キャスト陣で実写映画化され、大きな話題を呼んでいる小説『護られなかった者たちへ』。少し前に文庫版が発売されたこともあり、ここにきて再び読書家などの間で注目を集めているようだ。 物語は、仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足…
これは、けして他人事ではない“私たち”の物語だ。『護られなかった者たちへ』(中山七里/宝島社文庫)は、社会福祉制度に鋭く斬り込む社会派ミステリー。東日本大震災から10年を経た宮城県仙台市で不可解な殺人事件が起きたことから、その裏に隠された悲痛な…
10月1日より公開中の映画『護られなかった者たちへ』。同作は、東日本大震災から10年目の宮城県仙台市を舞台にした社会派ミステリーだ。陰りを帯びた寡黙な青年・利根を演じるのは佐藤健。市内で起きた殺人事件を追う刑事・笘篠役を、阿部寛が好演している。…
デビュー10周年を迎えた2020年、12ヵ月連続で新作を刊行するという前代未聞の離れ業をやってのけた中山七里氏。フィナーレを飾る『境界線』(NHK出版)は、映画公開間近の『護られなかった者たちへ』に続く「宮城県警」シリーズ第2弾だ。前作に続き、いや前…