NMB48・須藤凜々花の行動がまさに哲学者“カント的”だった!? 「死」は“無”なのか“永遠”か?
『明るく死ぬための哲学』(中島義道/文藝春秋)
さて今回はいささか難解な哲学の本の紹介だ。その前に哲学と言えば、「アイドルだって、哲学する」(by秋元康)というキャッチフレーズでおなじみのNMB48のメンバー、りりぽんこと、須藤凜々花女史について触れておこう。
6月17日の「第9回AKB48選抜総選挙」で結婚宣言をしたりりぽん。まさに自著タイトルにしてニーチェの言葉である、『人生を危険にさらせ』(幻冬舎)を地で行く哲学者ぶりを発揮する。21日の記者会見では、「自分の口で絶対に言いたくて。あの場で言うのは凄く悩んだが、ファンには自分の口で伝えたかった」(6月22日、ハフポスト日本版)と話した。
つまり何はさておき、自分がすべきは「真実」を真摯に伝えること──そう、りりぽんは判断したのだ。その結果、どんな非難の渦中にその身を置くことになろうとも。
このりりぽんの生きざまが、まさしく哲学者のイマヌエル・カント(1724年─1804年)的であることを教えてくれるのが、『明るく死ぬための哲学』(中島義道/文藝春秋)だ。
カント研究の第一人者である著者が、…