「同性愛視点」「腐女子視点」… 固定観念をぶち破る「攻め」のヌード画集
『ART GALLERY テーマで見る世界の名画 5 ヌード かぐわしき夢』(中野京子/集英社)
美女から男性、肥満ヌードまでを網羅した攻めのヌード画集『ART GALLERY テーマで見る世界の名画 5 ヌード かぐわしき夢』が、2018年1月15日(月)に発売された。 名画のヌードというと、「若く美しい女性の艶やかで豊満な裸体を描いたもの」というイメージがあるだろう。しかし美術史全体から見ると、それはごく最近の傾向にすぎない。古代ギリシア・ローマ彫刻の時代は、ヌードといえば若い男性が主なモチーフで、そのたくましい筋肉美を愛でるかのごとく再現している。もちろん、そこには同性愛的な視点があり、その関係性を鑑賞して喜ぶ腐女子的視点があることも否定できない。実際、美術作品におけるヌード作品のモチーフの男女比はほぼ半々になっている。
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