ミステリーは今、山形県が熱い!? 俊英・長岡弘樹の『赤い刻印』があなたの涙腺を直撃!
『赤い刻印』(長岡弘樹/双葉社)
ミステリーファンにとって、今もっともアツい都道府県はどこか? そんなアンケートを実施したら、山形県はきっと上位にランクインするはずだ。というのも『孤狼の血』が話題を呼んでいる柚月裕子をはじめとして深町秋生、吉村龍一など、同県は実力派のミステリー作家を多数輩出しているからだ。文芸評論家の池上冬樹率いる小説家講座の存在もあって同県は近年、東北ミステリー王国の観を呈している。
そしてもう一人。忘れてはいけない山形出身・在住のミステリー作家がいる。1969年生まれの俊英・長岡弘樹だ。08年に発表した「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。同作を収録した短編集『傍聞き』は、予想不可能の展開と人間ドラマが評価されて、これまでに40万部超を売り上げている。13年には警察学校を舞台にした異色ミステリー『教場』を発表し、こちらも大ヒットを記録した。
5月22日に発売された『赤い刻印』(双葉社)は、その長岡弘樹による最新短編集である。
収録作は母子の強い絆を描いた「赤い刻印」、記憶障害を抱えた医学生の日記が思わぬドラマを…