辻村深月が描く、コロナ禍の高校生たちの青春。自作の望遠鏡で星を探すコンテストを通して得たものとは?『この夏の星を見る』
新型コロナウイルスが私たちの生活に大きな影響を及ぼすようになって約3年。この3年は身近だった人との間に距離という大きなハードルが課せられた一方、遠く離れた人との距離は技術によって逆に縮めることができるようになった3年でもあると感じます。 そん…
新型コロナウイルスが私たちの生活に大きな影響を及ぼすようになって約3年。この3年は身近だった人との間に距離という大きなハードルが課せられた一方、遠く離れた人との距離は技術によって逆に縮めることができるようになった3年でもあると感じます。 そん…
突然の私見になるが、私は辻村深月さんの作品が大好きだ。彼女が書く登場人物たちの感情は、どうにもならなくて心の奥に抱えていた苦しさや悲しさを思い出させ、そっと包んでくれる。とある作品の主人公の心情描写には、私が誰にも言わず、心の中で思ってい…
自己肯定感は高すぎても低すぎてもしんどいけれど、たいていの人は、多かれ少なかれそのどちらかに寄っている。自分なんかどうせ、と卑屈になったり、どうして自分がこんな目に、と憤ったり、その繰り返しで生きている。その隙間に滑り込んで、甘い言葉で囁…
「夜に駆ける」「群青」など数々のヒット曲を輩出してきたアーティストのYOASOBIが、4人の直木賞作家とコラボレーション。「はじめて」をモチーフに、当代きっての人気作家が4つの物語を紡いでいく。 2022年の幕開けに、日本エンターテインメント界を騒然と…
あのとき、もしこの小説に出会えていたら。そう思って涙した読者は多いのではないだろうか。本屋大賞を受賞した辻村深月の『かがみの孤城』(ポプラ社)は、学校に行けなくなってしまった中学生7人を描いた物語。本作は、今年の「読書メーター」×『ダ・ヴィ…
累計100万部を突破したベストセラー小説『かがみの孤城』の文庫版が、2021年3月5日(金)に発売。新たに作品に触れた読者からは、「ずっと文庫化を待ってた本。読み進めるのが名残惜しくなりながら、一気に読んでしまった」「上下巻、一気読み。すごい筆力」…
東京會舘を舞台に実話を下敷きにした連作短編集、と聞いて、東京會舘にはなじみがないし、辻村深月作品にしてはあらすじが大人しそうだし、と『東京會舘とわたし』(単行本は毎日新聞出版、文庫は文藝春秋)を読む機会を逸している人が、もしかしたらいるか…
ディズニーを観て育った私はどうしても、恋をして結婚してめでたしめでたしの理想から抜け出せずにいる。……と、さみしげに言った友人がいる。彼女が好きになる人は決まって女性だ。「好き」の想いに貴賤はなく、自分の想いは自分だけの大切なものだとわかっ…