天童荒太「私を見てくださいという言葉は究極のアイ・ラブ・ユーでもある」『包帯クラブ ルック・アット・ミー!The Bandage Club Look At Me!』インタビュー
傷ついた人の、傷ついた場所に、包帯を巻きにいこう――。ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、リスキ、テンポ。関東の小さな町に暮らす6人の高校生が始めた〈包帯クラブ〉。それから16年。本書は、成長した彼らとクラブのその後を綴った、待望の〈途中報告書〉(続編!)となる。
(取材・文=藤原理加 撮影=川口宗道)
「前回の〈途中報告書〉の発表以後、その後のクラブのことを知りたいというリクエストを多くの読者の方からいただきました。もちろんメンバーたちも伝えたいと思っていたし、何度も筆を執ろうとしたけれど、どこをどう切り取れば自分たちの活動が世界にまで広がっていったことが伝えられるのか、わからないまま時を過ごしていた間に、人と人が共に生きていく世界が急速に失われていった。当時よりさらに経済優先社会になり、格差が広がり、自己責任という言葉が普通に語られることになった。例えば、児童虐待は毎年相談件数が増加しているし、自殺対策白書では15〜39歳の死因の第1位が自殺。このままでは、さらに孤立化、分断化した世界が進んでいく。それはきっと新型コロナウイルスが蔓延した世界より…