注目の新刊 『シャーロック・ホームズたちの冒険』 ダ・ヴィンチ2013年8月号
ホームズ、大石内蔵助の妻・りく、ヒトラー、小泉八雲、ルパン。著名人たちが難事件を解決する連作ミステリー短編集。「『スマトラの大ネズミ』事件」は、〈アン・ブーリンの呪い〉とされる奇怪な事件が続発し、ホームズが従来とは違う見解で事件を解決する物語。
ホームズ、大石内蔵助の妻・りく、ヒトラー、小泉八雲、ルパン。著名人たちが難事件を解決する連作ミステリー短編集。「『スマトラの大ネズミ』事件」は、〈アン・ブーリンの呪い〉とされる奇怪な事件が続発し、ホームズが従来とは違う見解で事件を解決する物語。
須賀瀬高校吹奏楽部1年生の典子のまわりでは不思議な事件が次々に起きる。父が遺した「じゃざん・りいだん・ごわいん・はん」という謎の呪文。典子のサックスに棲むクダギツネのチコ。サックスプレイヤーとしても活動している著者による、吹奏楽ミステリー。
田中啓文ほどジャンル分けの難しい作家も少ないだろう。
ファンタジーノベル大賞の公募からデビューし、ホラー作品『水霊 みずち』が映画化、『銀河帝国の弘法も筆の誤り』ではSF作品に与えられる星雲賞を受賞、『落下する緑 永見緋太郎の事件簿』は本格ミステリーとして高く評価された。創作落語にまで手を出してしまう田中さんを、端的に言い表すとしたら「そういう作家さん」としか言い様がないのである。
では、彼の新作『こなもん屋馬子(うまこ)』(実業之日本社)はどう表現すればいいのか。本作は、大阪の街の一角に存在する謎のこなもん屋を舞台とした連作短編集。各話に語り部となる登場人物がいて、ひょんなことから小麦粉を使ったものならどんな料理でも出すというこなもん屋に迷い込み、典型的な大阪のおばはん馬子や下働きのイルカと出会う。そこにまた別の登場人物が現れたとき、“事件”が起こる。版元の公式見解(?)では「大阪発 B級グルメミステリー」「爆笑&人情&グルメミステリー」となっているが、そこは田中さんの作品、ただのミステリーで終わるわけがない。
「関西のいちびり(ふざけてはしゃぎまわ…
苦しまぎれの一発ギャグで売れっ子タレントになった笑酔亭梅駆こと竜二。事務所からは落語の封印を命じられ、ストレスがたまる一方だ。そんな時、バイク事故を起こして噺家の命である声を失ってしまう……。笑いに満ちた青春落語ミステリーの決定版、ついに完結!
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