拝んだらヤバい地蔵、多数の人が死んだ事故の場所……『大阪怪談』は町のすぐそこにある恐怖を50篇以上収録!
『大阪怪談』(田辺青蛙/竹書房怪談文庫)
話題の怪談蒐集作家・田辺青蛙が『関西怪談』に続き書き下ろした、なにわ限定の実話怪談集『大阪怪談』(竹書房)が竹書房怪談文庫より発売された。
田辺氏が、地元である大阪の怖い話を徹底的に取材。コロナ禍の中、オンラインでの聞き取りも敢行。過去と現代をつなぐ恐怖体験など、怪談・奇談が満載だ。
すぐそこにありそうな恐怖……実話怪談の凄み
本稿のライターは夕方から夜に一気に読んだのだが、正直ちょっと後悔した。ひとつひとつのエピソードの現実味がハンパではなかったからだ。自分が怖がりだったのを思い出させられた。寝るとき「一人暮らしでなくてよかった」と心底思った。
本書は大阪に住む人や、ある程度大阪を知る人であれば、なじみがある場所に紐づく恐怖、唐突に起こった不思議な体験を50以上も収録。行ったことがない場所でも「ふつうの日常のすぐ隣にある」と考えると本当に怖い。いくつか、本稿のライターがゾッとした話を紹介する。
【たたり地蔵】
「あそこの地蔵さんは拝んだらあかんねんで」大阪市内のある川沿いにあるこの「たたり地蔵」は、もともと「…