<訃報>まど・みちお、 渡辺淳一ら逝去 海外では ダニエル・キイスも【出版ニュース2014】
『失楽園』(上)(渡辺 淳一/角川文庫)
今年も多くの偉大な才能がこの世を去った。2月13日、『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞した作家の山本兼一が肺がんで死去。がんが見つかった後も作家活動を続け、『花鳥の夢』を刊行していた。
同じく28日には『ぞうさん』『やぎさん ゆうびん』『一ねんせいになったら』などの童謡詩で知られ、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している詩人のまど・みちおが104歳にして老衰で死去。
4月30日には、直木賞作家の渡辺淳一が前立腺がんで亡くなった。『失楽園』『愛の流刑地』などベストセラーになった性愛小説のほか、医学小説や評伝小説、エッセイなど幅広い分野で活躍。また、30年間にわたって直木賞の選考委員も務め、エンターテインメント小説業界の発展に寄与してきた。
前衛芸術家として活躍し、小説家としては尾辻克彦名義で執筆した『父が消えた』で芥川賞を受賞した赤瀬川原平も今年亡くなった人物のひとり。10月26日、死因は敗血症。77歳だった。
そのほか、坂東眞砂子、山口洋子、稲葉真弓、日高恒太朗、種村直樹、海外ではSF史に残る名作『アルジャ…