島本理生『2020年の恋人たち』が加藤シゲアキの解説付きで文庫化! 「母の反対側へ進もうとすればするほど、離れられなくなる」
人と繋がり続けるために、語る人と黙る人がいる。小説『2020年の恋人たち』(島本理生/中央公論新社)の主人公・前原葵は後者だ。彼女は他人に期待しない。幼い頃から自立することを強いられる環境で育ってきた彼女は、自然と人に頼らず解決するすべを身につ…
人と繋がり続けるために、語る人と黙る人がいる。小説『2020年の恋人たち』(島本理生/中央公論新社)の主人公・前原葵は後者だ。彼女は他人に期待しない。幼い頃から自立することを強いられる環境で育ってきた彼女は、自然と人に頼らず解決するすべを身につ…
「夜に駆ける」「群青」など数々のヒット曲を輩出してきたアーティストのYOASOBIが、4人の直木賞作家とコラボレーション。「はじめて」をモチーフに、当代きっての人気作家が4つの物語を紡いでいく。 2022年の幕開けに、日本エンターテインメント界を騒然と…
愛してるって、どういうこと?と聞かれて明快に答えられる人なんて、果たしているのだろうか。ましてや一年つきあった彼女に「愛してる、結婚しよう」と言ったあと、YESでもNOでもなくそう切り返されたら。たいていの人は、答えるより先に傷つくんじゃないか…
メディアで有名人の不倫報道が流れるたび、世の中にはバッシングが飛び交う。不倫はパートナーを裏切る、最低の行為。そう誰しも知っているのに人はなぜ不倫に溺れるのか。…それはもしかしたら、人生の意味を見つけたいからなのかもしれない。島本理生が手掛…
『サラバ!』などの著作で知られるあの大人気作家・西加奈子氏を打ちのめし、「もう二度と、恋愛小説は書かない」「この世界にこんな凄まじい恋愛小説があるのなら、私は書けない。書く必要はない」とまで思わせた本がある。それは島本理生氏の『あられもな…
私たちは同じ部屋で同じ時を刻んでいる相手の“絶望”を、どれだけ知っているのだろう。2018年に直木賞を受賞した島本理生氏の『あなたの愛人の名前は』(集英社)は、そんな疑問を抱かせてくれる、大人の恋愛小説だ。 旦那さん以外に抱かれたいと思ったことは…
「なぜ、娘は父親を殺さなければならなかったのか」という強烈なインパクトの帯の『ファーストラヴ』(島本理生/文藝春秋)は、心の再生をテーマにしたミステリー小説である。 物語はアナウンサー志望の女子大生・聖山環菜が実の父親を刺殺したことで、幕を…
恋をしているときなんて、大体みんな、馬鹿になっている。と、思う。 冷静なつもりで、踏みとどまっているつもりで、だけど我を忘れて、想いにぐるぐるまきになった〈私〉の狂おしさが、行間の隙間からこぼれるように伝わってくる。 読み進めるにつれて、そ…