藤井フミヤ「村上春樹さんの奥行きのある描写や昭和を感じさせる松本清張の本。あの世界観がたまらなく好きです」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、7月11日にアルバム『Life is Beautiful』をリリースする藤井フミヤさん。こだわりなく小説を読むというフミヤさんにとって読書の醍醐味は、「空気感が感じること」だという。
「小説は海外作品よりも、 日本人作家のものを読むことが多いです。 やっぱり海外の習慣や宗教観って 日本人の僕らには分からないところがあって。 例えば逆に海外の方が、 “障子の穴からそっと寝入る母を見た…” なんていう文章を読んでも、 きっと深いところまで伝わらないと思うんですよ。 それと同じですね」
ただ、一方で翻訳家が好きで買う海外小説もあるという。 その一人が村上春樹。
「村上さんの翻訳は、 たんたんとした文章の中にも、 奥行きや細かな描写があって。 すごく惹きこまれる。 あの空気感がすごく好きなんです」
また、ほかにも昔からよく読む日本人作家を挙げてもらったところ、松本清張の名も。
「昭和にどっぷり浸かれる、 あの感覚がたまらないんで…