第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞・第8回『幽』怪談文学賞 授賞式レポート
『初恋は坂道の先へ』(藤石波矢/KADOKAWA メディアファクトリー)
2014年5月20日(火)に、都内で第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞と第8回『幽』怪談文学賞の授賞式が行われた。
ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞とは、一昨年までおこなわれていた「ダ・ヴィンチ文学賞」に代わって創設された文学賞で、「本にまつわる物語」を対象とした文学賞だ。本がストーリーの中で重要なアイテムとして使われていたり、書店や図書館が舞台だったり、作家が重要な人物として登場するなど、ストーリーの中で本にまつわる要素が含まれていることが求められる。
その記念すべき第1回となる今回は全部で219作品の応募があった。読者審査員および書店員審査員155名、そして弊誌編集スタッフによる最終選考を経た結果、大賞に選ばれたのは藤石波矢『初恋は坂道の先へ』。読者賞には、やながさわ かだ『イワレ奇譚』が選ばれた。
左から藤石波矢氏、やながさわ かだ氏
大賞受賞作の『初恋は坂道の先へ』は1冊の本と共に失踪した恋人を巡る青春ミステリーだ。授賞式で登壇した藤石氏は「小説のようなものは子供の頃から…