“永遠の33歳”が34歳になった時、探偵生命をかけた謎の扉が開き出す【内田康夫インタビュー】
衝撃のニュースが浅見光彦ファンの間を駆け巡ったのは2010年秋のことだった。“浅見光彦最後の事件”の執筆を始めた──内田康夫さんからのコメントは読者を仰天させた。“えーっ! シリーズ、終わっちゃうの!?”。さらにその作品では“永遠の33歳”浅見が34歳になる、と。“それって一体!?”。
内田康夫 うちだ・やすお●1934年、東京都生まれ。80年『死者の木霊』でデビュー。82年、名探偵・浅見光彦が登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を刊行。シリーズは本作で115作目に。2007年、著作累計部数が1億冊を突破。08年、第11回日本ミステリー文学大賞を受賞。“信濃のコロンボ”竹村警部シリーズなど著書多数。
その謎がついに明かされる時が来た。構想6年、執筆期間4年をかけた大長編『遺譜 浅見光彦最後の事件』刊行! 作品を前に、内田さんは穏やかな、だが意味深な笑みを湛えている。 「そろそろ彼も変わる時期じゃないのかなぁと考えました。33歳までは青年で通用しますけど、それ以降は完全な大人だと。そうすると、34歳からの浅見は立ち位置も変わってくるだろうし、どうい…