戦後日本の社会構造はこうなっていた! 内田樹×白井聡による極論疾風怒濤の対談集
『日本戦後史論』(内田樹、白井聡/徳間書店)
その昔、「戦争を知らない子供たち」というなんとも牧歌的なフォークソングがあって、桂三枝(現文枝)がやっていた深夜放送の特別番組を見に夜中にTBSホールに駆けつけ、フォークバンド・ジローズのこの曲を生で聴いたことのある不埒な中学生だった私だがそれはさておき、戦争と対峙する形での平和の歌を歌った当時にくらべて、下手すると日本はアメリカと一緒にドイツと戦った、と思い込んでいる人が出てきてもおかしくない、今の平和はどんなふうに口ずさまれるのだろうか。と疑心暗鬼にとりつかれている諸氏には本書『日本戦後史論』(徳間書店)である。
哲学研究の幅を大きく超えて各界で八面六臂の活躍をみせる内田樹氏と、『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)で話題を呼んだ政治学者・白井聡氏との、刺激的な対談集である。何が刺激的かって極論の疾風怒濤なのだ。いや、悪い意味じゃなくて。
たとえば、「日本はアメリカの属国である」。とか。内田氏によれば、属国に甘んじていないで日本は早くアメリカの51番目の州になればいいのに、なんて言う。すごい…