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板倉俊之 (インパルス)

職業・肩書き
タレント・その他
ふりがな
いたくら・としゆき

プロフィール

最終更新 : 2018-06-08

お笑い芸人

「板倉俊之」のおすすめ記事・レビュー

妖魔の巣を総攻撃!? 作戦はうまくいくのか…/板倉俊之『鬼の御伽』⑤

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お笑い芸人・板倉俊之(インパルス)が、新解釈で新たな御伽噺を紡ぐ最新作『鬼の御伽』(ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)。本連載では、有名な童話「泣いた赤鬼」を、オリジナル要素をふんだんに盛り込んで新たなエンタメに昇華させた「新訳 泣いた赤鬼」の冒頭を5回に分けて試し読み。

『鬼の御伽』(板倉俊之 :著、浅田弘幸:装画/ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)

第三章 「そろそろ、奴らと決着をつけようと思っておる」  掛け軸を背に、雷閃の正面に座している長老は、のんびりとした口調で言った。 「いつまでも、妖魔の脅威に怯えながら暮らすわけにもいかんからのう」  長老の目は白い柳のような眉に隠れているため、どこを向いているのか窺えない。右手の縁側から射し込む日光が、烏帽子を被った長老の影を畳に映している。 「それはわかりますが、しかし、どのようにして」  雷閃は正座を崩さぬまま訊く。先刻、使いの者を通じて長老の屋敷に呼び出されたのだった。 「それはな」  長老の横に立つ浄羅が口をひらいた。彼は長老と最も密にやりとりをしている、村の参謀である。髪も眉も…

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インパルス・板倉俊之「『桃太郎』って疑問だらけじゃないですか?」童話モチーフの最新小説で描きたかったこと《インタビュー》

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 ドワンゴのオリジナルブランドである「IIV(トゥーファイブ)」から、初の紙書籍が発売されることになった。それを手掛けるのは、人気芸人であり小説家としての顔も持つ板倉俊之さん。これまでにハードボイルドな作品を発表してきた板倉さんの最新作は、なんと「童話」がモチーフ。一体どんな作品になっているのか、板倉さんにお話を伺った。

疑問を補完したかった

 誰もが知る童話が新たな発想で生まれ変わった。作者は芸人、そして小説家としても活躍する板倉俊之さんだ。

 板倉さんの小説家デビューは2009年のこと。「射殺許可法」という法案が制定された日本を舞台にした『トリガー』を刊行し、話題を集めた。以降、コンスタントに作品を発表し、今年1月、満を持して5作目の小説を上梓した。それが『鬼の御伽』だ。本作には、板倉さんがオリジナル要素を加えた「桃太郎」と「泣いた赤鬼」の2編が、それぞれ「パーフェクト太郎」「新訳 泣いた赤鬼」と名を変え収録されている。 「『パーフェクト太郎』はテレビ番組の企画で思いついた物語だったんです。そもそも、『桃太郎』って疑問だらけじゃないですか? 犬…

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なぜか後ろにいる人に笑われる…普通の子どもらしく“遊び”に出た半郎だったが…/板倉俊之『鬼の御伽』④

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お笑い芸人・板倉俊之(インパルス)が、新解釈で新たな御伽噺を紡ぐ最新作『鬼の御伽』(ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)。本連載では、有名な童話「泣いた赤鬼」を、オリジナル要素をふんだんに盛り込んで新たなエンタメに昇華させた「新訳 泣いた赤鬼」の冒頭を5回に分けて試し読み。

『鬼の御伽』(板倉俊之 :著、浅田弘幸:装画/ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)

 目の前を、お河童頭の女の子が横切った。 「風が吹いてくるほうに走ると、もっと回るよ」  教えてやると、女の子は素直にそれを実行し、「わあ」と大きな声を上げた。  頰に心地いい風を受けながら、半郎は北側を眺める。門の脇には厩舎があり、外にも二頭の牛が見えた。門とこの丘のあいだは広場になっており、村人たちが作物や着物や陶器などを売り買いしている。  東側に首を回した。村の議会などで使用される、立派な平屋が見える。隣には煙突から煙を上げる、鍛冶工場が林立している。  南側を振り返った。村人たちが寝起きする居住区が広がっている。真ん中にある長老の屋敷の三階部分は、ここからでも見上げる恰好になる。…

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妖魔退治後目覚めた半郎。“村の守り神”とまで言われるけれど/板倉俊之『鬼の御伽』③

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お笑い芸人・板倉俊之(インパルス)が、新解釈で新たな御伽噺を紡ぐ最新作『鬼の御伽』(ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)。本連載では、有名な童話「泣いた赤鬼」を、オリジナル要素をふんだんに盛り込んで新たなエンタメに昇華させた「新訳 泣いた赤鬼」の冒頭を5回に分けて試し読み。

『鬼の御伽』(板倉俊之 :著、浅田弘幸:装画/ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)

第二章  家の天井が見え、半郎は目が醒めたことを自覚した。腹だけに力を入れ、ひょいと上体を起こす。 「あら、まだ寝てないと駄目じゃない」  部屋の隅で裁縫をしていたらしき彩音が言った。半郎にとって唯一の肉親である姉だ。 「大丈夫。もう元気みたいだ」  身体からはもう、疲労感も倦怠感もなくなっていた。半郎は掛け布団を跳ねのけて立ち上がる。新しい甚平を着ているのは、姉が着替えさせてくれたからだろう。 「雷閃様と岩持丸様が連れ帰ってくださったのよ」  言いながら、彩音は機織りの準備を始める。半郎を起こさないようにするために、控えてくれていたようだ。 「そうだろうね」  応えながら、半郎は伸びをす…

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“鬼化”する! 迫る妖魔を蹴散らし決着をつけるが…/板倉俊之『鬼の御伽』②

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お笑い芸人・板倉俊之(インパルス)が、新解釈で新たな御伽噺を紡ぐ最新作『鬼の御伽』(ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)。本連載では、有名な童話「泣いた赤鬼」を、オリジナル要素をふんだんに盛り込んで新たなエンタメに昇華させた「新訳 泣いた赤鬼」の冒頭を5回に分けて試し読み。

『鬼の御伽』(板倉俊之 :著、浅田弘幸:装画/ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)

 雷閃は柄から放した片手で、小さな巾着袋を手渡してきた。半郎はそれを受け取り、頷いた。  暗雲を切り裂くように、雷閃は剣を振りながら妖魔の群れの中へ突入していく。  半郎は巾着袋を開け、中身を掌に出した。赤玉と呼ばれている、赤い丸薬だった。それを口に放り込むと、半郎は腰に提げていた瓢箪を取り、栓を抜く。  凶暴な声を上げ、妖魔たちが半郎に襲いかかる。  ごくりと赤玉を呑み込んだ。  その瞬間、全身の骨が軋み、筋肉が灼熱する。ついで半郎の身体は膨張と変色を始め、さらに爪が伸び、二本の角が生え、それを追うように髪も伸びていく。  赤鬼と化した半郎の周囲には、至近距離にいた妖魔たちの手足が散らば…

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「泣いた赤鬼」を新解釈! 村に迫る妖魔に相対した半郎たちは…/板倉俊之『鬼の御伽』①

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『鬼の御伽』(板倉俊之 :著、浅田弘幸:装画/ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)

「新訳 泣いた赤鬼」第一章

 奴らは雨の夜にやってくる。  人間が火の力を発揮できず、視界が利かないことを知っているからだ。村を囲む、丸太をつなぎ合わせた柵の向こうには、夥しい数の妖魔が漂っていた。  物見櫓の手摺りを摑みながら、半郎は固唾を呑む。 「どうしましょう?」  隣で妖魔の群れを見つめている雷閃に訊いた。 「いまのうちに、なるべく減らしておこう」  涼しげな眼差しを遠くへ伸ばしたまま、雷閃は長弓に矢を番え、弦を引いていく。  柵の向こうに広がる暗闇の中には、不気味に光る妖魔たちの無数の目が、おぼろげに浮かび上がっている。耳にまとわりつく雨音は、奴らの囁き声のようだった。  びゅ、と…

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板倉俊之「誰もが騙されるトリックを、自分も仕掛けてみたいと思ったんです」

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毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、400ページ超えの本格エンターテインメント『蟻地獄』を上梓した板倉俊之さん。2年半をかけて執筆した同作は、出版社から依頼のあった前作とは違い、自発的に書き始めたもの。その出発地点には板倉さんの執筆欲を覚醒させる本があった。

「2009年に出した1作目の『トリガー』は 浮かんだ映像をそのまま文章にしていく、 脚本っぽい書き方をしていたのですが、 他の小説はどういう書き方をしているんだろう って興味が湧いて、 それで本格的に読書を始めたんです」

まず薦められて手にしたのは、道尾秀介の『シャドウ』。

「“うわっ!”と圧倒されて、 そこから道尾さんの作品を読みあさりました。 『ラットマン』では、限りなく騙され続けて(笑)。 その後は、ハードボイルド小説の傑作、 レイモンド・チャンドラーの 『ロング・グッドバイ』に感動して。 そんな素晴らしい作品に触れるうちに、 猛烈にミステリーを書きたくなったんです」

『蟻地獄』は出版を念頭に…

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作家
板倉俊之
矢立肇・富野由悠季
美樹本晴彦
瀧川 虚至
出版社
KADOKAWA
発売日
2016-11-26
ISBN
9784041052174
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