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姫野カオルコ

職業・肩書き
作家
ふりがな
ひめの・かおるこ

「姫野カオルコ」のおすすめ記事・レビュー

  • レビュー・書評

ブス扱いする母親、突然怒鳴ってくる父親――いちばん恐ろしい場所は「我が家」だった『謎の毒親』

ブス扱いする母親、突然怒鳴ってくる父親――いちばん恐ろしい場所は「我が家」だった『謎の毒親』

『謎の毒親』(姫野カオルコ/新潮社)

 親というのは、良い親であろうが、悪い親であろうが、生きていようが死んでいようが、子供にとって乗り越えなければならない永遠の課題だ。どんなに自由に生きようとしても、人は親の存在に振り回され続けなければならない。近年では、「毒親」という言葉をよく聞くようになった。親と接する中で当たり前として培われてきた常識に対して、大人になってから感じる違和感。虐待はされていなくとも、周囲から良い親だと思われていたとしても、子供を蝕んでいく毒になる親は、世の中に溢れかえっている。

 姫野カオルコ氏著『謎の毒親』(新潮社)は、親という課題を抱えるすべての人に読んでほしい相談小説。この本に書かれているものは、著者自身の実体験に基づいているというのだから驚きだ。著者自身とまったく同じ体験をした子供時代を過ごした人はまずいないに違いない。だが、著者のように、よくわからない親の言動に振り回されながら生きてきた人はきっと少なくはない。

 舞台は、関西のとある街。母の一周忌があった週末、光世は数十年ぶりに、大学時代に通っていた文容堂書店を訪れた…

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なぜ「被害者」の女子大生が非難されたのか。東大生による強制わいせつ事件をテーマにした「非さわやか100%青春小説」

なぜ「被害者」の女子大生が非難されたのか。東大生による強制わいせつ事件をテーマにした「非さわやか100%青春小説」

『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ/文藝春秋)

「楽しい気持ちになりたい」「ほっこりとした、温かいものを感じたい」。そういった動機で日頃小説を手に取る人には、まずお勧めできない。帯にもあるとおり『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ/文藝春秋)は、2016年に起きた東大生5人による強制わいせつ事件をテーマにした「非さわやか100%青春小説」だからだ。

 おもな登場人物は横浜生まれ横浜育ちの神立美咲と、渋谷区広尾に住む竹内つばさ。2学年離れている2人はニアミスしながらも、大学生になるまで交わることはない。いや、そもそも交わるはずもなかったのに、最悪の偶然により出会ってしまう。そして初めのうちは美咲の動作を「チョロかわいい」と思ったのに、つばさはのちに彼女に性的暴行を加える一員となる。

 なぜ2人は被害者と加害者になってしまうのか。それはひとえに、お互いがあまりに違い過ぎるからだ。

 美咲は横浜とはいえ郊外で育ち、地元の中学から区内のマンモス高校に進学する。母親は祖父が経営するクリーニング店のパート、父親は給食センター勤務という、ごく普通の家庭だ。そして美…

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隣の家の中を覗きたい女が解き明かす家の歴史とは【芥川賞受賞作】

隣の家の中を覗きたい女が解き明かす家の歴史とは【芥川賞受賞作】

 昔住んでいた部屋に今は別の人が暮らしているなんて想像できない気がしていたが、ベランダに干された知らない誰かの洗濯物を見たとき、ああ、別に何も寂しがる必要なんてないのだと思った。家は住人とともにあらゆる形に成長していく生き物なのだろう。住む人が変われば家も生まれ変わる。もしかしたら、家を知ることは住人を知ることなのかもしれない。そんな家がひしめく街を歩けば、ワクワクさせられるかもしれない。

 柴崎友香著『春の庭』は第151回芥川賞を受賞した話題作だ。ある家の秘密を覗きみようと試みた登場人物たちを描くこの作品は何気ない日常をみずみずしく切り取っている。街にはこんなにも心躍る世界が広がっていることを人はいつから忘れてしまったのだろう。

 主人公は離婚したばかりの元美容師・太郎。彼は世田谷にある取り壊し寸前の古いアパートに越してきたが、ある日、同じアパートに住む西が、塀を乗り越え、隣の家の敷地に侵入しようとしているのを目撃する。隣の家の中がどうしても気になると語る西。そんな彼女に影響され、いつの間にか太郎も隣の家が気になりはじめてしまう。

「毎日生活する場…

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「幸せそうに見られたい」人にはおすすめできません

「幸せそうに見られたい」人にはおすすめできません

 以前、ある女性誌のポスターにのけぞったことがあります。そこにはこう書かれておりました「幸せそうに見えるファッション」。うわー! “幸せそうに”“見えれば”それでいいんだ…。このコピーには、自分が本当に幸せかどうかは二の次、という、背中が寒くなるような価値観が透けて見えます。この「どう見えるか病」の人は存外に多く、本当は欲しくもない服を買ったり、食べたくもないものを並んで食べたり、買ったものや食べたものをせっせとSNSで報告していたりする。読者のみなさんもご覧になったことがあるでしょう。

 『リアル・シンデレラ』や『昭和の犬』で自立した女性を描いた著者が、精神的にまったく成長できず、吸血鬼のように夫に寄生するダメ女性・雪穂を描いたのが本作。なので、著者のほかの作品のような清々しさはあまりなく、正直、大変進みにくい読書となったのですが、雪穂がまさしく「どう見えるか病」。成城在住と称して国領に住み(国領もいい街だと思いますが…)、一族郎党に援助してもらいながら私立の名門女子校に幼稚園から短大まで通ったことだけが自慢の彼女は、親譲りの見栄っ張りな価値観だ…

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美容の悩みは吹っ飛ぶ?! 痩せたいと願う女性にお勧めのエッセイ集

美容の悩みは吹っ飛ぶ?! 痩せたいと願う女性にお勧めのエッセイ集

体重計の値に一喜一憂し、太ってもいないのに、痩せたいと願ってしまうのが女性というもの。「もっと食べたい」、でも「太りたくない」と常日頃考え、ダイエット特集が掲載された雑誌をついつい手にとってしまうのは、高校生のころから全く変わらないというアラフォー女子の私がダウンロードしてみましたのが、『すべての女は痩せすぎである』という1冊です。

本書は、「痩せる必要のない人まで痩せようとしているのはなぜ?」、「痩せていると美人なんだろうか?」、「良い見かけってどういうの?」と、美に関することを中心に、姫野カオルコさんがざっくばらんにさまざまな思いをつづったエッセイ集です。絶対的な美人なんていうのは存在しない、痩せていることが必ずしも美しさにつながらないといった、本当は誰でも分かっているはずなんだけれども、ついつい「実際はどうなんだろう?」と考えてしまうようなことが、姫野さんの経験と知識をもとに考察され、楽しく語られます。

「美人は肌がきれいか?」、「食欲女王」、「セックスできれいになる、はもう古い」、「わざとらしい女」と、目次を見ると、そそられるタイトルがずらり…

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「姫野カオルコ」の本・小説

彼女は頭が悪いから

彼女は頭が悪いから

作家
姫野カオルコ
出版社
文藝春秋
発売日
2018-07-20
ISBN
9784163908724
作品情報を見る
お金のある人の恋と腐乱 (徳間文庫)

お金のある人の恋と腐乱 (徳間文庫)

作家
姫野カオルコ
出版社
徳間書店
発売日
2014-11-07
ISBN
9784198939113
作品情報を見る
ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

作家
姫野カオルコ
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2007-02-24
ISBN
9784041835142
作品情報を見る
部長と池袋 (光文社文庫)

部長と池袋 (光文社文庫)

作家
姫野カオルコ
出版社
光文社
発売日
2015-01-08
ISBN
9784334768539
作品情報を見る
整形美女 (光文社文庫 ひ 18-3)

整形美女 (光文社文庫 ひ 18-3)

作家
姫野カオルコ
出版社
光文社
発売日
2015-05-12
ISBN
9784334769109
作品情報を見る
昭和の犬 (幻冬舎文庫)

昭和の犬 (幻冬舎文庫)

作家
姫野カオルコ
出版社
幻冬舎
発売日
2015-12-04
ISBN
9784344424203
作品情報を見る
もう私のことはわからないのだけれど

もう私のことはわからないのだけれど

作家
姫野カオルコ
出版社
日経BP社
発売日
2009-06-18
ISBN
9784822247485
作品情報を見る

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