人間には向かない職業――死神は世界に羽ばたく
その職業、死神。 対象の人間が死ぬ8日前に派遣され、その人間が死ぬことが可か不可かを調査し、報告する。可であれば対象は死に、不可と報告すれば、死は回避される。 この連作6話の語り手、通称・千葉も死神である調査員の一人。 まるでスパイ・エージェン…
その職業、死神。 対象の人間が死ぬ8日前に派遣され、その人間が死ぬことが可か不可かを調査し、報告する。可であれば対象は死に、不可と報告すれば、死は回避される。 この連作6話の語り手、通称・千葉も死神である調査員の一人。 まるでスパイ・エージェン…
主人公は若き天才スリ師。 1日の稼ぎは数十万に上ることもあるが、決してやりすぎず、目立たぬように、狭いアパートでひっそりと孤独に暮らしている。 かつて、仲間を失い、恋人を失って東京を出た彼が、舞い戻ってきたとき、再び悲劇の幕があがる。 物語は…
オトコのつまみである。「オトコ」の。 …はい、女子ですけど、なにか。 《R25》は決してメンズだけの雑誌じゃなかったんだから、この《R25》の人気連載から派生した『オトコの旬つまみ50』をアタシが楽しんだっていいはずよ。 実際、この値段でこの出来栄…
『ゲゲゲの女房』ファンのみなさま、いま現在のゲゲゲ一家にご興味はありませんか? 本書は、水木しげるさんの対談集『水木しげる ゲゲゲの大放談』(紙書籍で2010年6月に発売)から、“ゲゲゲの女房”こと武良布枝さんとの夫婦対談と、水木さんの次女で、水木…
桜庭一樹と言えば、読書の鬼にして、その小柄な身の内に豊穣な物語をたくさん詰め込んだ、人間物語製造工場だ。恩田陸などもそうだが、桜庭一樹も本歌取りをしつつ、オリジナリティ溢れる作品に仕上げるのが非常に上手く、今回も名作古典、滝沢馬琴の『南総…
翻訳小説って、版権の煩雑な問題があるのか、なかなか電書にならんのう、と思っていたら、全米ベストセラー作家で日本でも大人気(『ミステリが読みたい! 2011年版』のゼロ年代のベストミステリの作家部門で1位だった)のディーヴァーさんの最新作がいきな…
多田便利軒。 ラーメン屋ではない。 子どもの送り迎えから、ペットの世話、窓の修理など、時給2000円でよろずお困りごとを引き受ける便利屋さん。まちがっても探偵ではない。「犯罪に加担しているやつを見かけたら、おまえどうする」「放っとく」これが基本…
「ミステリはお好きですか」 できれば、ハルコさん((C)SLAM DUNK)風に可憐に訊いてほしい。 「大好きです、ヲタクですから!」と握りこぶしで答えよう。 いや、別にこの本が、ヲタクのひとじゃなきゃ、受け入れられない本ではないのです。むしろミステリマ…