オーロラだけじゃない! アラスカ「裏」ガイドブック登場!
『アラスカへ行きたい』(石塚元太良、井出幸亮 新潮社)
僕の小学校からの友人にカヤックでユーコン川を旅したことがある男がいる。カナダ側のユーコン準州から下りはじめ、国境を越えアラスカに入り、キャンプを繰り返しながらベーリング海に出る少し前で旅を終えた。「水がとても透き通っていてカヤックが宙に浮いているようだった」「まる1日漕いでも何日も風景は変わらない」などとその友人はユーコンの旅のことを語った。その旅の話を聞いたとき、あいつは俺の想像を超える風景の中に身をおいてきたのだ!と嫉妬心が芽生えたことを覚えている。
その後、偶然にも僕自身もカヤックを始め、アウトドア雑誌や、カヤック関係の本を読み漁るうちに『宇宙船とカヌー』(ケネス・ブラウワー/著 芹沢高志/訳 山と渓谷社)という本に出会った。スペースコロニー計画にも参加した物理学者のフリーマン・ダイソンと、その父フリーマンに反発し、ツリーハウスに暮らすというエコロジストの息子ジョージ・ダイソンの話だ。そのジョージが復元しようとしていたのが、アラスカからベーリング海に伸びるアリューシャン列島に住むアリュ…