有名漫画家の息子さん・娘さんが語る、思い出の料理とは? 田中圭一が描く異色のグルメリポート漫画
『田中圭一の「ペンと箸」: -漫画家の好物-』(田中圭一/小学館)
「神をも恐れぬ所業」とは、神罰が下ることも恐ろしいと思わないような行為を平然とやってのけることだそうで、漫画の神様と讃えられる手塚治虫の絵柄を模倣してお下劣ギャグ漫画を描いた田中圭一の単行本『田中圭一最低漫画全集 神罰』の帯には、手塚治虫の長女である手塚るみ子が「訴えます!!」と叱咤激励(?)のコメントを寄せていた。
今回紹介する『田中圭一の「ペンと箸」: -漫画家の好物-』(田中圭一/小学館)は、作者が著名な漫画家たちの「息子さん・娘さん」に取材をして、それぞれの親に「縁のある料理」を紹介してもらうという異色のグルメリポート漫画だ。
本作において作者はパクリ漫画家、もとい霊能者が自分の体に霊を憑依させるが如くのイタコ漫画家として、全23話の一話一話を取材対象の親である漫画家それぞれの作風に似せている。そのため、取材に応じた二世たちは親の画風で立ち現れ、各作品に思い入れのある人にとっては格別な味わいがあることだろう。
第二話に登場する手塚るみ子によれば、手塚治虫は自身の誕生日とクリ…