村上春樹の最新作と『あまちゃん』がどっちも面白くなる!? 片桐はいりの「フィンランド本」
『わたしのマトカ』(片桐はいり/幻冬舎)
4月12日に発売されるやいなや早くも100万部を超えるベストセラーとなった、村上春樹の最新小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)。高校時代の仲良しグループから突然拒絶されたことで大学時代に自殺まで考えた主人公、多崎つくる。36歳となった現在は駅を作る仕事をしているが、付き合いのある女性・沙羅に過去を話したところ、「拒絶された理由をあなた自身の手でそろそろ明らかにしてもいいんじゃないかという気がする」と促され、その理由を探る旅に出ることになる。その最後の巡礼地となるのが、北欧の国「フィンランド」だ。
フィンランドへ行くために有給休暇を取ると言うと、怪訝な顔の上司に「フィンランドにいったい何があるんだ?」と問われた多崎つくるは「シベリウス、アキ・カウリスマキの映画、マリメッコ、ノキア、ムーミン」と思いついたことを答えている。また、旅を勧めた沙羅は「ヘルシンキ市内では英語でだいたい用が足りる」と言っている。さらに同地を訪れてから、多崎つくるはフィンランド人について「人生に関する警句を考える…