注目の新刊 『たからもの 深川澪通り木戸番小屋』 ダ・ヴィンチ2014年1月号
預けられた手紙を紛失し、奉公先から暇を出されてしまったおつぎ。雨に濡れていた彼女に傘を差しかけたのは、深川の木戸番小屋に住むお捨だった——。困難を抱えた人びとを、木戸番夫婦がそっと優しく包みこむ、人情味溢れた時代小説シリーズ、最終巻。
預けられた手紙を紛失し、奉公先から暇を出されてしまったおつぎ。雨に濡れていた彼女に傘を差しかけたのは、深川の木戸番小屋に住むお捨だった——。困難を抱えた人びとを、木戸番夫婦がそっと優しく包みこむ、人情味溢れた時代小説シリーズ、最終巻。
女髪結いのお俊と別れた磯吉は、荷上げ人足として日々を送っていた。元定町廻り同心・森口慶次郎のもとを訪れた磯吉は、医者への紹介状を書いてくれるよう頼む――(「春惜しむ」)。懸命に生きる人びとの姿を、慶次郎の視点を通して描いた、滋味あふれる時代…