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又吉直樹 (ピース)

職業・肩書き
作家、タレント・その他
ふりがな
またよし・なおき

プロフィール

最終更新 : 2018-06-08

お笑い芸人

「又吉直樹」のおすすめ記事・レビュー

「僕は自分で“ライブの場”を作らないといけない」。又吉直樹がオフィシャルコミュニティ『月と散文』を立ち上げた理由

「僕は自分で“ライブの場”を作らないといけない」。又吉直樹がオフィシャルコミュニティ『月と散文』を立ち上げた理由

 芸能人の活躍の場がテレビなどから移行しつつある状況は、作家にとっても同様なのかもしれない。というのも、又吉直樹氏が『月と散文』という有料会員制コミュニティを立ち上げたからだ。そしてこのコミュニティサイトが今後、又吉氏の文筆活動の中心となっていくという。毎週新作原稿を3本投稿すると自らルールを決めているものの、内容やテーマ、文字数、場合によっては締め切りさえも又吉氏次第。かつファンにとっては作品の制作過程をリアルタイムで共有し、コメント機能などで著者との繋がりを実感できる。文芸誌や新聞といった既存メディアでは叶わなかったメリットを著者・読者共に享受できるのだ。なぜ又吉氏は、文芸界で先陣を切り独自の道を進む決断を下したのか。その動機と新たな活動で感じた思いを語ってもらった。 (撮影=三宅勝士)

「陽の当たらないところにいる人」が僕の一番書きたいこと

――『月と散文』って素敵なタイトルですね。 又吉直樹氏(以下、又吉):マネージャーと喋りながら考えてたんですけど、名前を考えるのはなかなか難しい作業で。やっぱり僕の好きなものを付けるのがいいかなと思った…

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【又吉直樹新連載】家賃2万5千円のアパートに住んでいた頃に買った花瓶の15年後/月夜に踊り小銭を落として排水溝に手を伸ばす怪人①

【又吉直樹新連載】家賃2万5千円のアパートに住んでいた頃に買った花瓶の15年後/月夜に踊り小銭を落として排水溝に手を伸ばす怪人①

 周囲になじめない、気がつけば中心でなく端っこにいる……。そんな“陽のあたらない”場所にしか居られない人たちを又吉直樹が照らし出す。名著『東京百景』以来、8年ぶりとなるエッセイ連載がスタート!

 家賃2万5千円のアパートに住んでいた頃に7千円の黒い花瓶を買った。お店で目にした瞬間それだけが特別なものであるように感じ絶対に欲しいと思った。花瓶を両手で持つと見事に私の手に納まり、生まれた時から持っていたかのように馴染んだ。手触りも重さも形も、黒を引き立てるための控えめな土色の線もすべてが良かった。

 ルイ・アームストロングがトランペットを手にした瞬間は、聖徳太子が木簡を手にした瞬間は、ルパン三世がワルサーP38を手にした瞬間はこのような感覚だったのかも知れない。  だが、7千円の花瓶は自分の暮らしには不釣り合いなほど高い。計画的に貯金をしてから買った方がいいのではないか、でもお金が貯まった時にはもう売れているかもしれない。迷った私は店の片隅で花瓶を手に持ったまま動けなくなった。

 後から聞いたのだが、そこを偶然通り掛かったチュートリアルの徳井さんと綾部が…

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「五時の鐘がよくきこえる場所を教えられた」そこはかとなく心にくる自由律俳句/『蕎麦湯が来ない』⑦

「五時の鐘がよくきこえる場所を教えられた」そこはかとなく心にくる自由律俳句/『蕎麦湯が来ない』⑦

美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。鬼才と奇才。文学界の異才コンビ・せきしろ×又吉直樹が詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集より、その一部をご紹介します。

『蕎麦湯が来ない』(せきしろ、又吉直樹/マガジンハウス)

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続きは本書でお楽しみください。

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後輩芸人からの悩み相談への答えは「一番自信のあるギャグを見て判断させて欲しい」/『蕎麦湯が来ない』⑥

後輩芸人からの悩み相談への答えは「一番自信のあるギャグを見て判断させて欲しい」/『蕎麦湯が来ない』⑥

美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。鬼才と奇才。文学界の異才コンビ・せきしろ×又吉直樹が詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集より、その一部をご紹介します。

『蕎麦湯が来ない』(せきしろ、又吉直樹/マガジンハウス)

そこからだと月は見えない

 突然、後輩から電話があった。数年前は毎日のように顔を合わせていたから随分久しぶりのように感じた。最近は劇場で会うと「また飲みにいこう」とは言うものの、なかなか実現していなかった。このタイミングでの電話は嫌な予感がする。  下北沢の中華料理屋に一人でいることを伝えると、会うことになった。後輩は店に着くなり、「実は相談がありまして……」と重い口調で話しはじめた。後輩は数年前にコンビを解散したあと、一人で活動を続けていたが、演劇に出演する機会があり、お芝居の面白さと厳しさを痛感し、本気で役者をやりたいという気持ちが強くなったらしく、その一方で芸人を続けたいという気持ちもあるという。  僕は両立を提案したが、芸人のままだと、演劇の世界の人達から甘やかされてしまうことが本人は嫌なようだった。真…

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ホラー映画の登場人物の気持ちが少しわかった気がした/『蕎麦湯が来ない』⑤

ホラー映画の登場人物の気持ちが少しわかった気がした/『蕎麦湯が来ない』⑤

美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。鬼才と奇才。文学界の異才コンビ・せきしろ×又吉直樹が詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集より、その一部をご紹介します。

『蕎麦湯が来ない』(せきしろ、又吉直樹/マガジンハウス)

ナイロンジャケットの擦れる音が耳に残る

 風が吹いている夜。見上げると雲の流れるスピードが速く、月が見え隠れしている。私は終電を逃し、お金も使ってしまったので徒歩で帰宅していた。  酔っ払いも、ホステスも、残業終わりの人も、スケボーに乗った若者もいなくて静かだ。風の音がするが、それよりナイロンジャケットの擦れる音が耳に残る。  暗い道で自動販売機がただ光っていた。それはヤクルトの自動販売機で、ミルミルを買おうかどうか迷った末、買って飲んだ。「ああ、こういう味だったなあ」と思い出しながらすぐに飲み終わり、横にあったゴミ箱に捨てた。  再び歩きだそうとした時、十メートル先くらいを何かが横切った。私はビクッとして足を止めた。それはすぐに路駐してあった車の陰になって見えなくなった。  私はその場に立ちすくんで今見た物体…

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僕があのギタリストなら羞恥で死んでいたと思う/『蕎麦湯が来ない』④

僕があのギタリストなら羞恥で死んでいたと思う/『蕎麦湯が来ない』④

美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。鬼才と奇才。文学界の異才コンビ・せきしろ×又吉直樹が詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集より、その一部をご紹介します。

『蕎麦湯が来ない』(せきしろ、又吉直樹/マガジンハウス)

誰も取らなかったピックの軌道

 十代最後の夏、人気ミュージシャンが多数出演する数万人規模の音楽祭のチケットを知人から譲り受けたので、一人で横浜まで赴いた。  僕は芸人として歩みはじめた時期で、爆発的な集客を誇るミュージシャンに対して劣等感を募らせる一方で、よくこれだけ大勢の他人を前にして唄えるなと同情もしていた。僕は、親戚が七、八人集まっただけで口を開く気が一切無くなってしまう性質だった。  新しいミュージシャンが舞台上に登場するたびに、もし自分がこの音楽祭に出演していたとして、登場時に観客が無反応だったら、恥ずかしくて死んでしまうのではないかと不安に思った。それは恐ろしい想像だった。僕は新しい出演者が登場するたびに固唾を呑み、どうか大きな反応がありますようにと願った。  もちろん、一定の人気が無ければ出演すら…

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もしもあの男が池に落ちたら、どうやって助けようか/『蕎麦湯が来ない』③

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美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。鬼才と奇才。文学界の異才コンビ・せきしろ×又吉直樹が詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集より、その一部をご紹介します。

『蕎麦湯が来ない』(せきしろ、又吉直樹/マガジンハウス)

水面に太った男が映っている

 私が今住んでいる町から、大きい公園に行くとしたら選択肢はふたつある。ひとつは井の頭公園で、もうひとつは善福寺公園だ。どちらも距離は同じくらいで、徒歩で十五分といったところか。  どちらにも長所と短所があり、井の頭公園は吉祥寺の街のそばにあるから、公園を堪能した後に、あるいは予定を変更して何か食べに行ったり買い物したりすることができる。一方、善福寺公園は住宅街に囲まれているので公園以外何もない。公園を楽しむだけの大変ストイックな状況になる。ただ、井の頭公園は若者が多いが、善福寺公園にはいないため、騒がしくなく、聞きたくない歌声を聞かされることもない。  どちらの公園にもボートに乗れる大きな池があるが、私はボートに乗ることはない。白鳥の形をしたものではなく、オーソドックスな漕ぐタイプの…

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「夢に侵入してくるテレビの音」何気ない日常が物語に/『蕎麦湯が来ない』②

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美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。鬼才と奇才。文学界の異才コンビ・せきしろ×又吉直樹が詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集より、その一部をご紹介します。

『蕎麦湯が来ない』(せきしろ、又吉直樹/マガジンハウス)

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「又吉直樹」の本・小説

東京百景 (角川文庫)

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作家
又吉直樹
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-04-10
ISBN
9784048967709
作品情報を見る
まさかジープで来るとは

まさかジープで来るとは

作家
せきしろ
又吉直樹
出版社
幻冬舎
発売日
2010-12-16
ISBN
9784344019287
作品情報を見る
第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

作家
又吉直樹
出版社
幻冬舎
発売日
2011-11-23
ISBN
9784344417694
作品情報を見る
蕎麦湯が来ない

蕎麦湯が来ない

作家
せきしろ
又吉直樹
出版社
マガジンハウス
発売日
2020-03-12
ISBN
9784838730858
作品情報を見る

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