先生の頭の中は迷宮!? 『出禁のモグラ』作者・江口夏実×精神科医・名越康文スペシャル対談――精神科医が考察する作品の魅力と語られる創作の裏側
『出禁のモグラ』(江口夏実/講談社)
『鬼灯の冷徹』の江口夏実先生による最新作『出禁のモグラ』のコミックス第5巻が8月23日に発売された。最新刊の発売を記念して、YouTubeでゲームや漫画のキャラクター精神分析を行い作品の世界観をひもとく精神科医・名越康文先生と、江口先生との豪華対談が実現。実は名越先生のYouTubeの視聴者だという江口先生。今回の対談では、ぜひ聞いてみたいことがあるようで……!? 精神科医の観点から考察する本作の魅力、そこからひもとかれる創作の裏話に迫る。
取材・文=ちゃんめい
わかりやすいものを求めすぎてしまう“怖さ”
――名越先生が初めて『出禁のモグラ』を読んだ時、どんな感想を抱きましたか?
名越康文さん(以下、名越):まず、1巻を読み終わるまでにものすごく時間がかかったんです。これはこの話のことだったのかと、時には読み返しながら辿っていくから、どれだけ時間がかかるんだろう? と不安に思いましたが、2巻の中盤から調子づいて気付いたら4巻まで読み切っていました。
なんだか4年制の大学みたいですよね。1巻は、まるで大学1年生が教授の出…