あだち充マンガは落語的? 落語家の語る共通点
『みゆき』『タッチ』『H2』など、青春マンガの代名詞ともいえるあだち充作品。実は、あだち充は大の落語好きで知られ、作風にもとりこんでいるという。そんなあだち作品をプロの落語家はどう読むのか? 『ダ・ヴィンチ』12月号では、マンガ『どうらく息子』監修や映画『しゃべれどもしゃべれども』での国分太一さんへの落語指導などでも活躍する柳家三三さんにインタビューを行っている。
中・高時代に、お兄さんの『タッチ』と『みゆき』を読み始め、さかのぼって『ナイン』『陽あたり良好!』、そして『ラフ』『H2』……とあだち作品を読んできた柳家三三さん。 「肌が合うんです。物語をきちんと見せてくれるところと、スッとすかしてくれるところのバランスがちょうどいい。読み終わったあと、気持ちのいい時間を過ごしたなと感じる――僕が落語で目指しているところと同じ感覚を味わえるんですよ」
あだち作品で繰り返し設定が繰り返される「パターン」については、こう話す。 「確かに鉄板のパターンがありますけど、読むたびに、新鮮に“おもしろい!”と思うでしょう。落語も、同じ話を繰り返しやるんだけど…