業界関係者がどうしても語れないアマゾンvsヤマトの真実とは?【後編】
写真提供:PIXTA
インターネット通販業界で起きているアマゾンとヤマトを巻き込んだ巨大な物流問題。
物流力でいえばアマゾンは他のインターネット通販とは一線を画している。生産性を上げることについてアマゾンほど強く執着する企業は世界のどこにもない。書籍や日用品、音楽CDなど大量の商品がアマゾンの倉庫の中で分刻みの決められた速度でピックアップされ出荷される。顧客第一主義のための徹底した生産性管理がここでは行われている。
そうして倉庫から出荷された荷物を顧客の指定した時間に届けるヤマト。これだけの付加価値をつけながら消費者から見れば宅配の送料は無料である。ではそのコストはどこに消えたのだろう?
『ドッグファイト』(楡 周平/KADOKAWA)
その秘密を小説『ドッグファイト』という形にすることで描き切ったのが作家の楡周平氏だ。経済関係者の誰もが触れられない闇の部分をエンタテインメント小説にすることで、経済問題をクリアに描写することに成功している。
日本最大の物流企業コンゴウの経営企画部に勤める郡司はグローバルEC企業スイフトの荷物が急増していることに懸念…