「私が先生を殺したの」──嘘まみれの友情×青春ストーリー『噓つきなふたり』武田綾乃インタビュー
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』1月号からの転載になります。
どれほど仲が良かった友達でも、7年ぶりに会うとなれば多少の緊張や不安がつきまとう。だが、この小説に登場する長谷川琴葉が放った言葉は、そんな予想を軽々と超えてくる。 「私が先生を殺したの」。 絶句する親友・朝日光に対し、琴葉はさらに言葉を重ねる。 「一緒に逃げてくれない?」と──。
(取材・文=野本由起 写真=冨永智子)
『噓つきなふたり』は、互いに秘密を抱えるふたりの逃避行を描いた青春×友情ミステリー。光と琴葉が出会った小学生時代、7年後の京都旅行、さらに10年後の彼女たちと、3つの時を行き来しながらふたりの胸の内を明かしていく。 「このお話が生まれたきっかけは、修学旅行でした。私は京都出身なので修学旅行で京都に行ったことがなくて、ドラマやアニメで見るたびにあこがれを抱いていたんです。そこで、京都に住んでいた友人と修学旅行生が行くようなベタな観光地を回ることに。それがすごく楽しくて。大人になりきれていない子たちがもう一度修学旅行をやり直す話を書きたいと思いました」 もうひとつ、…