一路真輝「クラシック音楽の聴き方、聴こえ方が大きく変わる作品になると思います」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは主演舞台『Op.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』が控える一路真輝さん。稽古開始を前に、台本や役と対峙する今の心境をうかがいました。
一路真輝 いちろ・まき●1965年、愛知県生まれ。82年に宝塚歌劇団に入団。93年から96年まで雪組トップスターとして活躍。退団後は『王様と私』『イーストウイックの魔女たち』『アンナ・カレーニナ』など話題作に出演。ミュージカルにとどまらず、現代劇、ドラマ、ソロアーティストとしても活躍中。
最近は、プラベートで読書をするというより、仕事に関する書物に目を通すことが増えたという一路真輝さん。現在読んでいるものも、次の出演舞台作であるベートーヴェンにまつわる資料が中心だ。
「ベートーヴェンの生涯が書かれた伝記や研究資料などですね。ベートーヴェンには“不滅の恋人”と呼ばれた女性が3人ほどいるそうなんです。その中で一番有力とされているのが、今回私が演じるアントニー。ただ、資…