「好き」の気持ちは日々変化する――イラストレーターとタッグを組んだ蒼井ブルー最新作『こんな日のきみには花が似合う』インタビュー
日常や恋愛の大切な瞬間を伝える文筆家・写真家の蒼井ブルーさんと、スタジオジブリ作品などで活躍するアニメーター・新井陽次郎さんがタッグを組んだ書籍『こんな日のきみには花が似合う』(NHK出版)。ある1組のカップルの1年を、イラストと文章が対になった60編の物語で綴る物語だ。日常にあふれる小さな幸せや等身大の苦しみを描き、誰かと過ごす日々の大切さを伝えるこの作品は、どのように生み出されたのだろうか。共作中のエピソードや作品に込めた思いも含めて、執筆を手がけた蒼井ブルーさんに話を聞いた。 取材・文=川辺美希
見落としがちな日常の幸せに気付いてもらいたいという思いで執筆をスタートした
――カップルの1年を60のピースで描くという切り口で新作を書かれたのはなぜだったのでしょうか。
蒼井ブルーさん(以下、蒼井):編集さんから「どこにでもいそうなふたりの、どこにでもありそうな恋を描く」という企画を提案いただいたのがきっかけです。見落としがちな日常の幸せに気付いてもらいたいという思いで執筆をスタートしました。文章とイラストのタッグというアイディアも、企画段階からあ…