「今月のプラチナ本」は、古谷田奈月『神前酔狂宴』

『神前酔狂宴』
●あらすじ● 神社の結婚披露宴会場で働き始めたフリーターの浜野。当初は、時給の良さを目当てに働いていた浜野であったが、ある日、結婚式が壮大な“茶番”であることに気づく。「滑稽さが肝の喜劇では、登場人物全員が愚者であるべき」と、働きぶりが一転。そんな中、神社に祀られている神が明治日本の軍神であったことを知り……。結婚、家族、日本という壮大な茶番を鮮やかに切り裂く衝撃作! こやた・なつき●1981年、千葉県生まれ。2013年「今年の贈り物」で第25回日本ファンタジーノベル大賞を受賞(のちに『星の民のクリスマス』と改題)。17年『リリース』で第34回織田作之助賞を、18年には「無限の玄」で第31回三島由紀夫賞を受賞。同年、「風下の朱」で芥川賞候補に選出される。その他の著書には『望むのは』『ジュンのための6つの小曲』など。
古谷田奈月河出書房新社 1600円(税別) 写真=首藤幹夫
編集部寸評
なんでみんな、結婚を披露するの? 結婚披露宴会場で働き出した主人公は、ある日とつぜんに意識する。「なんでみんな、結婚を披露するの?」…