迷子になる幼児と親から離れないカモの違い。『ざんねんないきもの事典』監修・今泉忠明氏が語るこれからの子どもたち
現在投票受付中で来年2月に第4回の結果が発表される「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」。子どもたちが「最強の本」を決めるこの選挙で、過去3回連続ランクインしている本をご存じだろうか。
そのタイトルは『ざんねんないきもの事典』(高橋書店/全8冊)。いきものたちの習性が「人間から見ると残念」という切り口で、面白おかしく紹介している児童書である。読書好きの小学生なら誰もが知る一冊。大人が読んでも面白いので、わが子の本をこっそり拝借して読んでいる…という人もきっといるはずだ。
ここでは本書はもちろん、絵本『ねこのずかん』『おうちを みせて』(以上、白泉社)などで幅広く監修をする動物学者・今泉忠明氏に、動物や子どもについての話を聞いた。
取材・文=吉田あき
“めずらしい”習性を“ざんねん風”に書き直す
——「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」の第1回、第2回で1位、第3回では2位を獲得。シリーズ全8冊にわたり、膨大な生き物の習性が紹介されています。これらはどのように調べているのですか?
今泉忠明(以下、今泉):動物学にはいろいろな分野があって、僕の専門…