佐藤愛子節が炸裂! 酸いも甘いも噛み分けた“98歳作家”の文庫本は、“人生の教科書”
『佐藤愛子の役に立たない人生相談』(佐藤愛子/ポプラ社)
恋愛や夫婦関係、キャリアや介護問題など、人生を進めるごとに人が抱える悩みは変化する。両親や恩師に相談することもできるが、歳を重ねていくと相談できる相手がいなくなってくることもあるだろう。何かに躓いたり誰にも相談できなくて心が内側を向いてしまった時、背中をドン!と押してくれる人生の大先輩の言葉を頼ってみてはどうだろうか。
8月に発売された『佐藤愛子の役に立たない人生相談』(ポプラ社)は、2021年秋で98歳を迎える作家・佐藤愛子が、20~70代の“後輩”たちから相談を受け、叱咤激励していく人生問答集。仕事や恋愛の悩みはもちろん、社会の在り方や家族を題材にした相談も、豊富な人生経験を矛にスパッと吹き飛ばしていく。
著者の佐藤は、ただ98年間平凡に過ごしてきた女性ではない。二度の結婚と離婚、夫の会社の倒産や借金生活など人生の酸いも甘いも噛み分けたキャリアウーマン。作家としては1969年に『戦いすんで日が暮れて』にて直木賞を受賞して以来、ミリオンセラーを記録した『九十歳。何がめでたい』や『血脈』『…