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小鳥居ゆき

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ことりい・ゆき

「小鳥居ゆき」のおすすめ記事・レビュー

  • レビュー・書評

ポー読まずして恐怖を語るべからず。「黒猫」「モルグ街の殺人」を含む傑作短編集

ポー読まずして恐怖を語るべからず。「黒猫」「モルグ街の殺人」を含む傑作短編集

10代のうちにポーの小説に出会えた人は幸せです。 なぜなら、彼の作品にはミステリーのあらゆる原型があり、同時に、恐怖、幻想、冒険、怪奇といった多岐に渡る味わいすらも贅沢に詰め込まれているのですから。

『ポー名作集』に収録されているのは、彼の代表作といっても過言ではない8編の傑作短編です。タイトルを順に挙げていくと、「モルグ街の殺人」「盗まれた手紙」「マリー・ロジェの謎」「お前が犯人だ」「黄金虫」「スフィンクス」「黒猫」「アシャー館の崩壊」。ポー作品は未読でも、タイトルは聞いたことがあるという人は多いのでは。 この中で物語の最も設定がよく知られているのは「黒猫」でしょうか。 酒に溺れ、可愛がっていた黒猫プルート(冥府の王)を殺した男の前に、それとそっくりな猫が現れる。謎めいたその猫に執拗につきまとわれ、精神を病んだ男は怒りにまかせて妻の脳天に斧を打ち込んで殺してしまうが…。 「明日死ぬ身」である男の告白という形で物語は進んでいくのですが、これがもうじわじわと怖い! 扉がバーンッと音を立てて開く衝撃ではなく、恐怖がゆ~っくりと背筋を這い登ってくる感覚と…

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その真っ白な毛並みにもふもふしたいe& 白い柴犬だけを集めた偏愛ワンコ写真集

その真っ白な毛並みにもふもふしたいe& 白い柴犬だけを集めた偏愛ワンコ写真集

日本犬といえば真っ先に「柴犬」を思い浮かべる人は多いのでは?   素朴な顔立ちと忠実な性格で古くから愛されてきた柴犬ですが、なかでも雪のように真っ白な毛並みの“白柴”のかわいさは格別!    つぶらな瞳、綿雪のようにふわふわな毛、くるんと丸まった短いシッポ。   犬好きでなくとも思わず「も、もふもふしてぇ…!」と口走ってしまうこと請け合いのかわゆさをご覧あれ! 魚眼レンズで“鼻デカ”に撮影された動物たちの写真と聞けば、「あの鼻がアップになってるやつね」と思い当たる人も多いのでは?    一世を風靡した“鼻デカ”シリーズで知られるペット写真家・森田米雄の中から、白い柴犬、通称・白柴だけを集めた写真集がアプリで登場。    満開の桜の中で、初夏の芝生で、真っ青な海と空をバックに、日本の四季折々の風景の中を、白柴が元気に駆けまわります。とりわけコロコロ体型の仔犬ショットは悶絶のかわいさ!    アプリとしての機能はいたってシンプル。   画面を軽くタップすると下部にメニューが表示されるので、そこからお気に入りの一枚をiPhoneに保存した…

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新婚ノロケも芸に昇華! 愛すべきオタク夫と安野モヨコの“豪腕”

新婚ノロケも芸に昇華! 愛すべきオタク夫と安野モヨコの“豪腕”

「こないだうちの彼氏がね~」 恋人(もしくは伴侶)の話は多かれ少なかれノロケになってしまうもの。DVや不倫なんかは別として、日常の愚痴は「ヤマなしオチなし意味なし」な感じで、まあ大概ノロケの範疇ですよね。 ただし、それはあくまで普通のカップルの場合。

90年代後半に『ハッピーマニア』で少女マンガの枠をグググッと押し広げ、『働きマン』で男性読者の共感を読んだ安野モヨコの手にかかれば、ノロケも立派なギャグマンガに生まれ変わります。さらに結婚相手が誰もがその名を知る『新世紀エヴァンゲリオン』の監督と来た日には! そりゃ新婚ライフ=ネタ満載の宝箱ですから!

今や周知の事実ですが、「カントクくん」こと庵野秀明は相当のオタクキャラ。いえ、キャラというか、骨の髄までオタクな大人です。家で一人のときは鏡の前でミラーマンごっこ、ドライブのBGMはアニソン限定、ストローの袋をねじって額にピッとつけて仮面ライダーごっこ…と、とても成人男性とは思えない無邪気な言動は枚挙にいとまなし。

オタトークがかなりディープなので、人によっては意味不明な固有名詞が続出しますが、用語解説で確…

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本気の片思いはいつだって切ない。マジメ委員長×天然娘のほのぼの百合ラブコメディ

本気の片思いはいつだって切ない。マジメ委員長×天然娘のほのぼの百合ラブコメディ

ささ‐めき【私=語】 ささめくこと。ひそひそ話。ささやき。また、男女のむつごと。(goo国語辞書) 女の子同士がひそひそ話す内容といえば、大概が恋の話。タイトルの『ささめきこと』は辞書通りに読み取れば、「内緒の話」という意味。もうちょっと踏み込めば睦言、男女の語らいとも解釈できます。ただし、このマンガの場合は男と女の「ささめきこと」ではなくて…。

「どうして女の子同士で愛し合っちゃいけないのかしら」 「まぁた病気が始まったか」

メガネに175センチの長身がトレードマークの堅物委員長、純夏(すみか)。彼女がひそかに片思いしている相手は、「かわいい女の子が好き」と常日頃から公言している親友の女の子、汐(うしお)だ。今日もランチの場では惚れっぽい汐の口から片思いの嘆きがこぼれ、純夏は平気な顔でビシバシとそれを受け流す。鈍感な汐は、純夏の気持ちにこれっぽっちも気づいていないのだ…。

自分とは正反対の美少女ばかりを好きになる汐を前に、毎回あたふた動揺しながらも応援しようとする純夏がとにかく健気で一途でいじらしい! さらに、そんな純夏の片思いに気づいたクラスメイト…

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セシウムを素手でわしづかみ!? “サイバラ毒”がみっちり詰まった濃厚体験ルポマンガ

セシウムを素手でわしづかみ!?  “サイバラ毒”がみっちり詰まった濃厚体験ルポマンガ

「女の無頼は西原ひとりで十分」とかつて評したのはいしかわじゅんでしたが、あらためて彼女の体験ルポを読み返すと「マンガ業界の無頼は西原ひとりで十分」と言い直したくなります。    だって男女ひっくるめて見ても、こんなにもあちこちで体張って、身銭切ってるマンガ家ほかにいませんよ? 『パーマネント野ばら』『酔いがさめたら、うちに帰ろう』『毎日かあさん』と昨年から立て続けに原作が実写映画化。 いまやすっかり「毎日かあさん」的いい人なイメージが定着していますが、「サイバラの毒気が好き!」という人はやっぱり体験ルポを。    「週刊SPA!」で不定期連載していた『できるかな』シリーズは、タイトル通りの「できるかな?」精神で、新島やら、バンコクやら、だんじり祭りやらと、脈絡なくさまざまな場所に突っ込んでいく体験ルポ。    今読むとドキッとするのは第1回「放射能を測ってみよう!」。 高速増殖炉もんじゅを訪問して「炉心ど真上」(←炉心に最も近い場所!)でポーズを取ったり、セシウムを素手でつかんでガイガーカウンターで測定したりと、放射能相手でもサイバラ…

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内田春菊はいつも誰かに怒っている。だが、怒りこそが彼女の“才能”なのだ

内田春菊はいつも誰かに怒っている。だが、怒りこそが彼女の“才能”なのだ

結婚・離婚歴3回、父親違いの子どもが4人、元夫の現パートナーと事実婚で同居中。    そんな波乱万丈な子育てエッセイ『私たちは繁殖している』で知られる内田春菊ですが、本作は『繁殖』のほぼ続編といっていいでしょう。『繁殖』はまだ完結していないし、登場人物の名前が違うなど、こまかい違いはありますが、内容は誰がどう見ても地続きです!(キッパリ) 『Bitch』の主題となっているのは「セックス」「家族」「パートナーとの関係性」。    前半は、「大人/夫婦(正確には違うが)はセックスするもの」という当たり前の事実を子どもたちにオープンにすることについて、後半は「パートナーとフェアにつきあっていくためにはどうすればいいのか」についてを、作者の怒りと憤りと愚痴(笑)が満載で描かれます。    内田春菊はいつも誰かに怒っている。   そこがイヤで離れる読者も多いでしょう。   が、彼女の怒りは偏っている一方で、世間の常識や馴れ合いに鋭い疑問を投げかけているのも事実なのです。むしろ、怒りこそが彼女の才能の根源だと、私は思います。    最後にひとつ、笑っ…

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「クソブタ!!」と夫を罵倒! まったり癒してときどき凶暴。ここに愛され女の見本あり

「クソブタ!!」と夫を罵倒! まったり癒してときどき凶暴。ここに愛され女の見本あり

「妻かわいいよ妻」「この奥さん面白い!」「オレも結婚したくなった」 このマンガが発売された直後、周囲の男たちが皆こぞって“妻”を絶賛する様子に、私ははたと気づきました。「本当の本当に“モテる女”って、この妻みたいなタイプなのかもしれない…!」

内容は、ほぼタイトルのまんま。 小心者のマンガ家「僕」と、可愛いけれどすぐ怒る妻。夫婦ふたりの日常を綴った気楽に読める4コマ風エッセイなのですが、この妻のキャラクターが独特かつ強烈なんです。

丸顔、むっちり体型、愛嬌のある九州弁。 宅配ピザのチラシを見てヨダレを垂らしているかと思えば、ブチ切れてトイレに籠城、謝る夫を「来んなよ!! ブタ!!」と罵倒する一面も。普段は癒し系なのに、怒ると凶暴。でもいざというときには頼りになるしっかり者。このギャップに篭絡される男性は多いようで、なんとこの妻、フィギュアにまでなっちゃってます。

素直で女の子らしいとか、仕事にプラスになるアドバイスをくれるとか、飲み会で空いた皿を率先して片付けるとか。そんな上っ面モテテクニックなんて、実はあんまり「愛される」資質と関係ないのかも? 女…

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貧乏で、人恋しくて、未来が見えなくて。28歳・無職・マンガ家志望の男が東京迷路を右往左往

貧乏で、人恋しくて、未来が見えなくて。28歳・無職・マンガ家志望の男が東京迷路を右往左往

まさかカラスヤサトシに泣かされるなんて…。    だってこの人、「キモカッコワルイ」が売りのギャグ漫画家ですよ? 著者名そのままの4コマ『カラスヤサトシ』では小学生並みのアホな言動全開ですよ? 趣味はガシャポン人形遊びと南京玉すだれな男ですよ!?    それでも、それなのに。このカラスヤ版「上京物語」は胸にグッと迫るものがあるんです。 「漫画一本で生きいこう!」   29歳を目前に一念発起した著者は、バイトを辞めて勢いで大阪から上京。友達も恋人もいない東京で、載るあてもない漫画をちんたら描き続ける貧乏暮らし。神田川をぼさーっと眺め、神保町で古書店街の規模に圧倒され、人恋しさでひとり奇行を繰り返す日々…。    なーんて書くとセンチメンタルな気分になってしまいますが、そこは根っからのギャグ漫画家。貧乏も孤独も不運もすべてネタに変えて、しっかり笑かしてくれます。    が、後半はトーンが一転。大きな不幸が筆者を襲い、息子の将来を心配する母はこう呟きます。    「30になって40になって…今のままでそんでもあんた…誰とも会わんと部屋でまん…

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