オタクであることを隠していた女子高生の青春物語in1995!『古オタクの恋わずらい』/マンガPOP横丁(97)
『古オタクの恋わずらい』(ニコ・ニコルソン/講談社)
今やJ系アイドルや大物政治家が大々的に公言してその愛を語るなど、すっかり一般的な存在となった、特定ジャンルの愛好者“オタク”。でも一昔前までは閉鎖的で暗いというイメージがあった。今回はその時代にマンガやアニメに青春を注いだ女子高生の恋を描くラブコメディ『古オタクの恋わずらい』(ニコ・ニコルソン/講談社)をご紹介。1990年代に青春時代を送った方は特に必見です!
かつてオタクだった女性のあの頃の思い出
ファストファッションブランドと人気アニメ作品のコラボ商品、2.5次元グループが武道館コンサート開催、渋谷のファッションビルにアニメやゲームのフロアが誕生……現在42歳の佐東恵は、市民権を得た最近のオタク文化の盛り上がりに衝撃を受け、さらにアニメキャラの入った服で平然と外出する高校生の愛娘の姿を見て驚愕していた。なぜなら、自身が高校生の頃ではありえない光景だからだ。恵はふとあの頃の事を思い出す――。
時は1995年。まだインターネットもケータイも普及しておらず、オタクは今ほど市民権を得られていな…