注目の新刊 『恋歌(れんか)』 ダ・ヴィンチ2013年11月号
樋口一葉の歌の師匠であり、歌塾「萩の舎」を主宰して一世を風靡した中島歌子。彼女は幕末、天狗党の志士に嫁いで水戸に下った。壮絶な運命に翻弄されながらも、恋に命をかけて闘った——。注目の女流時代作家による渾身の感動作は、特にラストが印象的で涙を誘う。
樋口一葉の歌の師匠であり、歌塾「萩の舎」を主宰して一世を風靡した中島歌子。彼女は幕末、天狗党の志士に嫁いで水戸に下った。壮絶な運命に翻弄されながらも、恋に命をかけて闘った——。注目の女流時代作家による渾身の感動作は、特にラストが印象的で涙を誘う。
『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』(朝井まかて/講談社)
7月30日から「江戸東京博物館」で開催されている、特別展「花開く 江戸の園芸」。当時世界でも突出したガーデニング技術を持っていたという江戸の園芸文化を紹介している同展の概要によると、今から150年前に来日したイギリスの植物学者で、新しい植物を採取するために西欧諸国から全世界へと派遣された「プラントハンター」であったロバート・フォーチューン(中国の秘伝であったチャノキとその製法をインドへと持ち出してダージリン地方に植え、茶の中国独占を打破した人物。詳しくは『紅茶スパイ 英国人プラントハンター中国をゆく』(サラ・ローズ:著、築地誠子:訳/原書房)は、庶民までが花好きであることに驚嘆したという。
関が原の戦いに勝利した徳川家康が征夷大将軍に任命され、江戸に幕府を開いた1603年から大政奉還をした1868年までの265年間は、大きな戦乱もなく太平の世であった。平和になると文化が発達するのは世の常で、江戸では花卉園芸が発達して新品種が開発され、人々の目を楽しませていたそうだ。徳川家康を始めとする徳川将軍…
江戸時代、通行手形も金も持たずいきなり伊勢神宮参拝をめざす「抜け詣り」が行われていた。そんな人たちの面倒を見ることが功徳になるとされていた時代、かつての「馬喰町の猪鹿蝶」、お以乃、お志花、お蝶の3人が伊勢を目指して旅に出た。果たしてその旅の結末は?
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