内田雄馬さんが選んだ1冊は?「自分らしくマイペースに戦うしかない。その姿に勇気をもらいました」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、内田雄馬さん。 (取材・文=野本由起 写真=TOWA)
「僕のバイブルなんです」と、内田さんが差し出したのは『ヒカルの碁』。 「ヒカルは囲碁の名人・藤原佐為の霊と出会い、いつしか自分も囲碁にのめりこんでいきます。佐為は途中で消えますが、それでも彼から受け継いだものはヒカルの囲碁の中に残っている。同じようなことは、僕たちにもあると思うんです。例えば、お父さんやおじいさんから教わったことって自分の中に残りますよね。僕の場合は、先輩方とのお芝居を通していただくものも多くて。そこに宿った魂を、今度は僕が誰かに伝え、自分の魂が受け継がれていく。『ヒカルの碁』を読むと、思いを残すことの大切さを感じます」 登場人物の中で、内田さんが自分を重ねたのは本田敏則。プロ試験にギリギリで合格した棋士だ。 「本人も、自分は天才ではないという自覚があるんですよね。でもある時、屋台のおじさんに職業を尋ねられ、『棋士です』ときっぱり答え…