「写真の勉強はしちゃダメですよ」写真家・幡野広志がはじめて写真について語った『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』
撮影:幡野広志
写真家の幡野広志さんが、はじめて写真についての書籍を上梓した。タイトルは、『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』。幡野さんが不定期で開催している初心者向けの写真ワークショップの内容をもとに書き下ろした渾身の一冊だ。
この本は一風変わっている。写真の本なのに、その主題はノウハウにはない。「好奇心と行動力を持つこと」「感動すること」──どちらかといえば、生き方についての考えが主題に据えられている。もちろん後半には技術的な側面もたっぷりと語られるけれど、読後感は「自らの人生をめいっぱい生きたくなる」のだ。
本書の話題を中心に、写真について、表現について、幡野さんに話を伺った。
撮影:幡野広志
写真ではなく「生き方」の本
──前回の『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』に続き、今回の新刊もおもしろかったです。読んでいて、これは写真の本であると同時に「生き方」の本だなと感じました。
幡野広志さん(以下、幡野) ありがとうございます。やっぱり、初心者の方に向けてノウハウを書いても意味がないと思いまして。これから写真を始めようかなと思う人に…