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鈴木大介

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すずき・だいすけ

「鈴木大介」のおすすめ記事・レビュー

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ママの店は、男たちが風俗店に行く前の待合室でもあり、“ノミ屋の窓口”でもあり…『里奈の物語』⑦

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物置倉庫で育った姉妹(里奈と比奈)は、朝の訪れを待ちわびた。幾つもの暗闇を駆け抜けた先に、少女がみつけた希望とは―。ルポ『最貧困女子』著者が世に放つ、感涙の初小説。

『里奈の物語』(鈴木大介/文藝春秋)

 その日、中心気圧9‌0‌0ヘクトパスカル前半、最大風速45メートル/秒という非常に強い台風は、九州地方に上陸後、西日本をゆっくり横断。高潮と相まって大きな被害を出していた。里奈たちの住む伊田桐市もまた、昼頃から降り始めた雨がほんの1時間ほどでたらいをひっくり返したようなような暴風雨だ。

 幸恵の勤めるパブスナックは安普請で、強風が吹くたびに壁に叩き付けられる大粒の雨音が、バラバラとまるで小石でも投げられているかのようだった。 「こんな天気じゃ客もくそもねぇがん」

 店長兼ママさんの志緒里さんが毒づく割に、カウンター10席にボックス20席ほどしかないパブスナック店内は結構な人の入りである。と言ってもその面々は付近の飲食風俗店のスタッフばかりで、あまりの大雨に早々にその日の営業を諦めて集まってきたという次第だった。

 そんな客層だから、志緒里ママもずいぶん…

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おむつ交換にミルクの温め、寝かしつけ…“子育て児童”は、小学校に入学してはじめて「外の世界」を知ることに『里奈の物語』④

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物置倉庫で育った姉妹(里奈と比奈)は、朝の訪れを待ちわびた。幾つもの暗闇を駆け抜けた先に、少女がみつけた希望とは―。ルポ『最貧困女子』著者が世に放つ、感涙の初小説。

『里奈の物語』(鈴木大介/文藝春秋)

 それから4年近く、里奈にとってのすべては、比奈だった。里奈が最も頻繁に倉庫で過ごしたのは、比奈が生まれてすぐのころだ。幸恵からすれば、本来ならとても幼い里奈に任せておけるはずもない乳児の比奈を、少しでも職場の近くに置きたかったのだろう。ときたま里奈と比奈以外の子どもも預けられることのあるこの倉庫は、その敷地の長屋店舗で身を寄せ合うようにして営業する飲食風俗店で働く女性らにとっての簡易な託児所代わりになっているようだったが、週のうち大半をそこで過ごしていたのは、里奈と比奈だけだった。

 けれどそんな環境の中、比奈のおむつの交換からミルクの温めや入浴、寝かしつけまで、ほとんどを当時まだたったの4歳だった里奈が手伝った。比奈の離乳は早かったが、瓶詰の離乳食への移行だって、自力では瓶の蓋を開けることもできないほど幼かった里奈が、周囲の大人の力を借りながら…

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アンダーズ〈里奈の物語〉 1

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作家
鈴木大介
山崎紗也夏
出版社
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発売日
2021-06-24
ISBN
9784160901025
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里奈の物語

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作家
鈴木大介
出版社
文藝春秋
発売日
2019-11-27
ISBN
9784163911328
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発達系女子とモラハラ男──傷つけ合うふたりの処方箋

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作家
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漫画 いのうえさきこ
出版社
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発売日
2021-03-29
ISBN
9784794972569
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壊れた脳と生きる ――高次機能障害「名もなき苦しみ」の理解と支援 (ちくまプリマー新書)

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作家
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鈴木 匡子
出版社
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発売日
2021-06-10
ISBN
9784480684028
作品情報を見る

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