古川雄大さんが選んだ1冊は?「天才脳外科医たちの戦い続ける姿に共感します」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、古川雄大さん。 (取材・文=五十嵐 大)
2020年に出演したドラマ『トップナイフ―天才脳外科医の条件―』。その脚本を手掛けた林宏司さんが書き下ろした小説版は、古川さんにとって、いまでも大切な一冊だという。 「ドラマとはまた違ったアプローチで、一人ひとりのキャラクターの悩みが描かれています。登場する天才脳外科医たちは常に孤独と戦っていて、特に家族との関係がテーマになっている黒岩健吾の章は、読んでいて思わず泣いてしまったんです。また、主人公の深山瑤子が下した決断は、胸に来ました。生きていると誰だって選択を迫られる瞬間があります。そう考えると、この作品はいろんな人に通ずるものなのかな、と思うんです」 本作に登場する人物たちは孤独と向き合い、第一線で戦い続けている。医療現場と演劇というフィールドこそ異なるが、それは古川さんにも言えることだ。 「役者の仕事もずっと戦いなのかもしれません。たとえば舞台であれば、初日を…