それは美しく、おぞましいバケモノ──心かき乱す危険なBL×ホラー『パライソのどん底』著者・芦花公園さんインタビュー
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年4月号からの転載になります。
SNSで話題沸騰の実話系ホラー『ほねがらみ』の衝撃から2年、新鋭・芦花公園さんの快進撃は続いている。『異端の祝祭』、『漆黒の慕情』、そして今年2月に第3弾『聖者の落角』が発売された「佐々木事務所」シリーズ、美しき誘惑者を描いた本格オカルト・ホラー『とらすの子』と、話題作を相次いで刊行しているのだ。
取材・文=朝宮運河 写真=首藤幹夫
「『ほねがらみ』でデビューすることになってから2年あまり、作家になれたという実感もないまま、夢中で原稿を書いてきました。本当なら去年はもっと新刊が出るはずだったんですよ。『聖者の落角』ももっと早くに出すつもりだったんですが、兼業作家なのでなかなか時間が取れなくて。自分のペースを知った2022年でしたね」 そんな芦花公園さんの“出身”は小説投稿サイト・カクヨム。デビュー作のオリジナルにあたる『ほねがらみ―某所怪談レポート―』をはじめ、芦花公園さんは同サイトに長短編を投稿している。『パライソのどん底』も、デビュー前にカクヨムにて連載されていた作品だ…