「ヤバいだけじゃヤバイ!」語彙力を増やすにはテレビが役に立つ/めんどくさがりなきみのための文章教室⑦

めんどくさがりな人ほど、文章の才能がある――。著書累計510万部以上の作家はやみねかおる初の実用書。 だれでも文章が上達する方法を、ぽっちゃり猫が小説形式で楽しく教えます。作文、メール、レポートから小説まで、これ1冊で文章がみるみる上達するはず!
『めんどくさがりなきみのための文章教室』(はやみねかおる/飛鳥新社)
「表現力がある人」がこっそりやっていること 「ヤバイだけじゃヤバイ」から語彙力を増やそう
美術の宿題をしていると、筆を持ってる腕がズッシリと重くなった。 見ると、ダナイが、ぼくの腕にしがみついている。 「邪魔するなよ、ダナイ」 「健こそ、わたしに食事を与えるのも忘れて、何をしてるんだ?」 「窓から見える風景を描けっていう、美術の宿題だ。もうすぐ完成するから、それまで餌は待ってろ」 「なんなら、手伝ってやろうか? ほら、『猫の手も借りたい』とうじゃないか」 ダナイが、パレットに前足をつける。肉球に絵の具をつけて、いったい何をする気だ? 「わたしが、色を塗ってやろう」 「ちょっと待て。猫に色塗りは無理だろ!」 絵に肉球を押しつけようとす…