寺田心が選んだ1冊は?「目を背けてはいけない現実に直面し、命の尊さを強く感じました」
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年1月号からの転載になります。
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、寺田心さん。 (取材・文=野本由起 写真=大石隼土)
現在、5匹の犬と暮らす寺田さん。そのうち3匹は、施設などから引き取った保護犬だという。きっかけは、一冊の絵本に出合ったことだった。 「小学生の頃、母から“こういう動物たちもいるんだよ”とこの本を紹介されました。最初は“かわいい!”と思ってペットをお迎えしても、家庭の事情で保健所に送られ、殺処分される子もいるんです。普段僕たちは動物のかわいい面だけを見ていますが、裏側にはこういう悲しい子たちもいる。目を背けてはいけない現実を突きつけられ、命の尊さを強く感じました」 そして中学1年生の頃、寺田さんは初めて保護犬を迎え入れることに。 「何があっても最期まで見届ける覚悟で、保護犬を引き取りました。命を預かるなら、責任から逃げてはいけません。昨年、僕が生まれる前から飼っていた犬がこの世を去り…