上原ひろみ「今回のアルバムには、未来へのつながりや希望を感じながら作った楽曲たちがおさめられています」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、2年ぶりのニューアルバム『シルヴァー・ライニング・スイート』をリリースする上原ひろみさん。10代の頃から影響を受けていたと話す穐吉敏子の自伝『ジャズと生きる』について、そしてニューアルバムに込めた思いをお聞きしました。 (取材・文=倉田モトキ 写真=干川 修)
「穐吉敏子さんの音楽が大好きで、子どもの頃から何度かコンサートも見にいっていました。それに、日本人として初めてアメリカに渡り、ジャズピアニストとしての道を切り拓いた方だとも知っていたので、はたしてどんな人生を歩んできたのだろうかと、すごく興味が湧きました」
上原ひろみさんが紹介する『ジャズと生きる』は、穐吉敏子さん自らが音楽家としての半生を綴った自伝だ。上原さんが初めて読んだのは、ちょうど出版されたばかりの高校生時代(1996年に刊行)。以降、何度も読み返す愛読書となった。
「最初は純粋に、“すごい人生を送ってきたんだなぁ”、“戦後まもない頃だと大…