「今月のプラチナ本」は、東畑開人『心はどこへ消えた?』
『心はどこへ消えた?』
●あらすじ● この20年、心は消滅の危機にさらされている。物が豊かな時代は終わり、人々は目の前のことでせいいっぱいだ。日々の生活には金銭的にも時間的にも余裕のない人が多く、心はすぐにかき消されてしまう。幸福な余生を送る老婦人、マッチョなベンチャー企業社長、段ボールの中に引きこもる小学2年生、悲劇のヒロインを演じる20代女性。街のカウンセリングルームには、今日も様々な人がやってくる。命がけの社交、過酷な働き方、綺麗すぎる部屋、自撮り写真、段ボール国家、巧妙な仮病など、カラフルな小さい物語たちから臨床心理士・公認心理師の著者が「心とは何か」という直球の問いに迫る、渾身のエッセイ。 とうはた・かいと●1983年生まれ。臨床心理士・公認心理師。専門は臨床心理学・精神分析・医療人類学。京都大学教育学部卒、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。沖縄の精神科クリニックでの勤務を経て、現在、十文字学園女子大学准教授。2017年に「白金高輪カウンセリングルーム」を開業。19年、『居るのはつらいよ』(医学書院)で第19回…