「本当の正義とはなにか、を常に考え続ける人たちを描きたい」――人気作家・新川帆立が『競争の番人』にかける思いとは《インタビュー》
第19回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したデビュー作『元彼の遺言状』(宝島社)が大ヒットを記録し、一躍人気作家となった新川帆立さん。同作は月9で実写ドラマ化もされ、話題を集めたことは記憶に新しい。しかし放送終了後、新川さんはさらに注目を集めた。なんと2クール連続で月9ドラマの原作者に起用されたのだ。これはまさに異例のことだった。
現在、月9で放送中のドラマ『競争の番人』(講談社)は、新川さんにとっての“勝負作”。一般にはあまり知られていない「公正取引委員会」を主役に、濃密な法律ミステリーに仕上げた。そして驚くことに、今年5月に発売された第1巻に続き、なんと8月には第2巻となる『競争の番人 内偵の王子』も発売されることに。快進撃を繰り出す新川さんに、「競争の番人」シリーズにかける思いをうかがった。
(取材・文=五十嵐 大 撮影=川口宗道)
すべての社会問題は連鎖している
――これまでその実態があまり知られていなかった「公正取引委員会」を主人公にしようと思った理由から教えてください。
新川帆立さん(以下、新川):もともと「女性向けの経済小説を書…