岡山天音が選んだ1冊は?「上手すぎて隙がない作品。主人公のトーシローを演じてみたい」
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年1月号からの転載になります。
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、岡山天音さん。 (取材・文=松井美緒 写真=TOWA)
マンガ好きで知られる岡山さんが、「上手すぎて隙がない」と絶賛するのがこの作品、『フールナイト』だ。出会いは、昨年だった。 「マンガを紹介するブログでおすすめされていて。そこの作品は、だいたい僕の趣味に合うんです。まず、演出が鮮烈で惹かれました。マンガ的なアートっぽさとデッサン的な絵の技術がちょうどいいバランスです」 そして設定の妙。 「人を植物に変える技術を開発した未来。その世界観の導入だけ見ると、オシャレなSFなのかと思うんですが、環境汚染、貧困や社会構造の歪みといった重たい問題が現れてくる。現代とも地続きで、恐ろしくもなってきます」 ストーリー展開も斬新だ。 「1巻は親子関係の話ですが、2巻から突然連続殺人事件が描かれ始め、霊花の謎、転花技術の闇と、どんどん深いところまで掘…