高橋文哉さんが選んだ1冊は「本質を突いた言葉に、悩みを見透かされ、しかも心を軽くしてもらえる」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、高橋文哉さん。 (取材・文=立花もも 写真=yoshimi)
2〜3カ月に一度、なぜか本屋に引き寄せられてしまう日があるのだと、高橋さんは言う。 「昔からマンガよりもアニメ派だし、全然本は読まないんです。でも、そういうときは、必ず一冊買おうって決めています。いちばん最近買ったのが『嫌われる勇気』。実は僕、本を一冊読み切った経験がほとんどないんですけど、これは珍しく最後まで辿りつける予感がしています(笑)」 とくに印象に残っているのは〈お前の顔を気にしているのはお前だけだよ〉という言葉。 「わりと自由に生きてきたほうではあるんですが、それでも他人の目を気にして縮こまったり、挑戦できなかったりしたことはたくさんある。もちろん、役者は見られるのが仕事だから、そうは言っても気をつけなきゃいけないんだけれど、相手の状況を忖度しすぎて会話を弾ませられなかったり、仲良くなれそうな人にも一歩踏み込むことができなかったり、人…