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矢樹純

職業・肩書き
作家
ふりがな
やぎ・じゅん

プロフィール

最終更新 : 2022-04-07

1976年、青森県生まれ。小説家、マンガ原作者。実妹とコンビを組み、加藤山羊の合同ペンネームで2002年『ビッグコミックスピリッツ増刊号』にてデビュー。12年「このミステリーがすごい!」大賞に応募の『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家としてデビュー。19年出版の短編集『夫の骨』が注目を集め、20年に表題作で第73回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。他の小説作品に『妻は忘れない』(新潮文庫)などがある。

「矢樹純」のおすすめ記事・レビュー

  • レビュー・書評

「娘が母親を絞殺」した事件の裁判で、“不知火判事”の他に類を見ない被告人質問で法廷の景色が一変! シリーズ化熱望の新感覚ミステリー

「娘が母親を絞殺」した事件の裁判で、“不知火判事”の他に類を見ない被告人質問で法廷の景色が一変! シリーズ化熱望の新感覚ミステリー

『不知火判事の比類なき被告人質問』(矢樹純/双葉社)

 導入当時こそ市民への負担が騒がれた「裁判員制度」だが、いつのまにか定着してきた。とはいえ、いざ裁判員になってみない限り、実は裁判の実際の流れというのはあまり知られていないのではないだろうか(ドラマでも大抵、山場だけがピックアップされるし)。このほど登場した新感覚ミステリー『不知火判事の比類なき被告人質問』(矢樹純/双葉社)は、そんな一般には馴染みの薄い「法廷」こそが「現場」となる。あとは量刑を決定するだけ…のはずの法廷で「何か」が起こる連作短編は、漫画原作者から作家となった著者ならではのあざやかな手法で読ませる上に、裁判の基礎知識までわかってしまうというお得(!?)な一冊だ。

 フリーライターの湯川和花は、ある日、先輩のピンチヒッターである裁判をレポートすることになった。「中学時代から不登校でニートだった娘が母親を絞殺」というその事件に、被告が自分と同年代だったことで興味を持っていた和花だが、裁判の細かい流れには驚きと退屈を行ったり来たり…そんな中で衝撃的な人物が登場する。左陪席(裁判長の左手側…

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「今月のプラチナ本」は、矢樹純『マザー・マーダー』

「今月のプラチナ本」は、矢樹純『マザー・マーダー』

『マザー・マーダー』

●あらすじ● 近隣住民とのトラブルをきっかけに壊れていく家族、離婚した夫の死後に浮上した遺産相続問題、自立支援施設従業員の軟禁事件、学校の美術室で起こった傷害事故、不倫相手の子を身籠ったジャーナリストが追う殺人死体遺棄事件。 それぞれの出来事にはすべて、ある家族が関係していて……。 「逃げられないんだったら、関わらない方がいい。あの子、本当にまともじゃないの。」 読者を震撼させる、全5編からなるミステリー短編集。 やぎ・じゅん●1976年、青森県生まれ。小説家、マンガ原作者。実妹とコンビを組み、加藤山羊の合同ペンネームで2002年『ビッグコミックスピリッツ増刊号』にてデビュー。12年「このミステリーがすごい!」大賞に応募の『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家としてデビュー。19年出版の短編集『夫の骨』が注目を集め、20年に表題作で第73回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。他の小説作品に『妻は忘れない』(新潮文庫)などがある。

矢樹 純光文社 1760円(税込) 写真=首藤幹夫

編集部寸評  

ノックし…

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すぐそこにある、崖っぷち…… 歪んだ母性が引き起こしたおぞましい事件を描いたミステリー『マザー・マーダー』

すぐそこにある、崖っぷち…… 歪んだ母性が引き起こしたおぞましい事件を描いたミステリー『マザー・マーダー』

『マザー・マーダー』(矢樹純/光文社)

※本レビューは『マザー・マーダー』(光文社)の著者・矢樹純さんの妹である漫画家・加藤山羊さんから寄稿いただいたものです

 小説『マザー・マーダー』は、表題作である最終章に向けて、「ある母子」の抱える深い闇に迫っていく連作短編集でありながら、章ごとに提示される謎を解決する過程でさらなる謎へと誘われていくという、秀逸な長編ミステリーともなっている。

 各章の主人公は「愛する娘と我が家を守るため、在宅ワークを始める主婦」「疎遠になっていた娘から突然相談を受け、戸惑う看護助手」「ダメな部下を従え、ある家庭に介入することになった引きこもり支援施設の職員」「学校での事故をきっかけに、不登校になった娘を心配する母親」「自身の飛躍のため、ある事件の真相に迫ろうとするルポライター」と、多種多様な人々。その全てに強く感情移入させられた。この人たちが、与えられた境遇で痛いくらい懸命に生きているのが伝わってくるからだ。ごく普通の人が、守るべきもののため、何とか窮地を乗り越えようともがく。切り抜けてほしい、と手に汗握る。陥る窮地もリアル…

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「矢樹純」の本・小説

ミステリーアンソロジー 大逆転 (朝日文庫)

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作家
初野晴
曽根圭介
綾辻行人
矢樹純
鮎川哲也
一穂ミチ
佳多山大地
出版社
朝日新聞出版
発売日
2023-02-07
ISBN
9784022650870
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本格王2023 (講談社文庫)

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作家
本格ミステリ作家クラブ
今村昌弘
結城真一郎
潮谷 験
矢樹純
荒木 あかね
白井智之
道尾秀介
出版社
講談社
発売日
2023-06-15
ISBN
9784065319383
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夫の骨 (祥伝社文庫)

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作家
矢樹純
出版社
祥伝社
発売日
2019-04-12
ISBN
9784396345105
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幸せの国殺人事件 (一般書)

幸せの国殺人事件 (一般書)

作家
矢樹純
出版社
ポプラ社
発売日
2023-09-13
ISBN
9784591179420
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