『BEASTARS』との共通点も? 注目の新鋭作家・大前粟生が初の児童文学を発表! 《インタビュー》

ある日突然、外に出ると体が変化してしまうようになった夕日町。元に戻る方法が見つからず、外出禁止になった町で、背中に翼のはえた小学4年生のまるみちゃんと、透明人間になった同い年のうさぎくんは、ビデオ電話で仲良くなるが……。『おもろい以外はいらんねん』は織田作之助賞の候補作にもなった大前粟生さんが、コロナ禍で執筆した初の児童文学『まるみちゃんとうさぎくん』(ポプラ社)がこのたび刊行。お話をうかがった。
(取材・文=立花もも 撮影=下林彩子)
――学校は休校、仕事はすべてリモートワークになった本作の世界観は、現実の私たちに重なりますね。
『まるみちゃんとうさぎくん』(大前粟生/ポプラ社)
大前粟生(以下、大前さん):この話を書き始めたのがまさに緊急事態宣言の発令された2020年の4月ごろだったんですよ。フィクションとはいえ、世の中が大変なことになっている現状をまったく無視するのも変ですし、かといって取り入れすぎるのもどうかなあ、と考えた末に生まれた設定です。あと、今回は児童書ということで、子どもに向けて書くわけですけど、僕自身の幼少期をふりかえったとき、…