片岡健太(sumika)さんが選んだ1冊は?「クリエイティブをするうえで何度も読み返す、お守りのような一冊」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、片岡健太さん。 (取材・文=倉田モトキ 写真=TOWA)
「何冊目だろう、これ」 パラパラめくる文庫には、ページの角を折った跡が。創作に行き詰まった時に幾度となく読み返し、何冊も買い直したという。
「クリエイティブをするうえでのお守りのような一冊です。高校時代に初めて読んだ時はピンときませんでしたが、曲作りに追われるようになった22、23歳で読み直したら薬のように効きました。最初から最後まで大事なことが書いてあります」 中でも、片岡さんが惹かれた一節が〈思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である。〉 「僕はものを作る時に、ずっと考え続けてしまう癖があるんです。でも、時々忘れないと言葉も出てこないし、曲も生まれてこない。忘れることへの罪悪感をなくし、むしろ肯定してくれるのが新鮮でしたね」 初エッセイの執筆中も、何度もこの本のページを開いたそう。父に教わったギター、松葉杖でスタートした中学生活、初めて組ん…